ダウトフルサウンド クルーズ

 テアナウ洞窟ツチほたる・キーサミット



 99.10.29 
(第7日目)  ダウトフルサウンドクルーズ・テアナウ洞窟ツチほたる

  天候 晴れ(雲多い)  夕方から雨

 ダウトフルサウンド 旅行書に掲載されていた写真に魅せられた。今日その風景をこの目で見ることができる。

 6:00起床、6:45今日もテアナウ湖畔のホテルにショルダーベーコンの朝食に行く。食後紫色の花でこんもりとした木をみたりしながら、湖畔を歩きモーテルに帰る。8:25モーテルを出発、8:50マナポウリに到着。予約済みのピクニックランチを受け取り、静かなたたずまいの湖畔を散歩する。

 ダウトフルサウンド日帰りツアー Doubtful Sound に参加、9:20クルーズボートに乗船、9:30出船。マナポウリ湖 Lake Manapouri 縦断を開始。手荷物を船室に置き、すぐに甲板に上がる。

 マナポウリ湖 はニュージーランドで一番美しいといわれている湖だ。まわりをとりかこむ山々、点在する小島、濃紺の湖水、静かで穏やかな風景、湖面をゆっくりとすすむ船に身を任せれば、これだけで十分に楽しいツアーだ。10:20対岸のウェストアームに到着。

 次は ウェストアームからディープコープまで バスで移動だ。10:30、ウェストアームを出発、2台のバスに分乗しダウトフルサウンドをめざす。生い茂った降雨樹林帯の中を進み、10:40 モスカーペット に着く。多種類の色鮮やかな高山苔が、岩肌や足元に一面にひろがっている。見慣れない苔もあり、非常に美しい。

 11:00 ウィルモット峠 に到着。素晴らしい眺望だ。高い山に囲まれ、鋭く切れ込んだ谷間と流れ込んだ海水のダウトフルサウンドが眼下に見え、期待が大きく膨らむ。11:25日本でみるような穏やかな、しかし姿の美しい滝に着く。わずかな距離のバス旅だが、変化に富んだ風景が楽しめた。11:35サウンドの入口、ディープコープに到着。ただちにクルーズボートに乗船する。

 11:45ディープコープをスタート、一番の目的の ダウトフルサウンドのクルーズ 開始だ。荷物を置くのももどかしくデッキに出る。

 頬をなでる空気が爽やかで心地よい。四方の景色を眺める。鋭く尖った山、緑の木々、深く沈んだ青色の海水、太陽の光でさまざまな色彩に変化している。白い雲が流れ、水にも美しく描かれている。波がなく穏やかな水面だ。エンジンのわずかに聞こえる軽やかな音を除けば静かで、落ち着いた時間が過ぎて行く。

 13:05船は タズマン海 に近付く。波しずかなサウンド内に対し、外洋は対照的に、白く荒々しい波が押し寄せ、リンク状に散在している小島にぶつかっている。船もわずかに左右に揺れる。すこし寒くなってきたので船室に入り、船窓から景色を眺め、ピクニックランチの昼食を食べる。味も良くボリュウムも十分だ。やや寒く冷えた身体に暖かいコーヒーが美味い。

 突然若者から日本語で話かけられた。埼玉県の新婚旅行中のふたりで、パックツアーでニュージーランド観光をしているが、サウンド観光は、ミルフォードサウンドに行った他の人とは別れて、ダウトフルサウンドに来たそうな。

  しばらくして船内に放送が流れる。聞きとれなくて意味がわからないが、皆デッキにあがっていくので、一緒に甲板にでた。船のエンジンがとまっている。

 全員、静かにひっそりとたたずみ、耳をすませている。山にとりかこまれ、海もまったく凪いだ、薄暗い深閑とした空間は、物音ひとつしない。不思議で神秘的な雰囲気が漂っている。海の一点に太陽があたり、そこだけが華やいでみえる。静寂、静謐なんと表現できるのだろうか。再びエンジンが回転してわれに返った。

 岩肌に苔が生え茂り、絹糸のような水が、一枚の布となって海に直接落ちている。繊細な本当に繊細な、しかし水量のある白糸の滝だ。船は滝の下に入ってしばらく停船している。苔の中から滝が湧き出てきているように見える。

 未開の自然の魅力と感動的な光景を堪能し、14:45ディープコープに帰りついた。14:50再びバスに乗りマナポウリ湖に向かう。15:45ウェストアームに着き、バスに乗車のまま地下200mまでトンネルを下った。建物の中は巨大な 地下発電所 で、見学場所からは7台の発電機が備え付けられているのが見えた。16:10発電所をでる。

 16:20ウェストアームに着き、16:40クルーズボートで出発。夕陽で柔らかな色彩の マナポウリ湖 の風景を満喫しながら、17:30マナポウリに到着。17:35テアナウに向けスタート18:00モーテルに帰る。小さな町に出てぶらぶらと歩き、スーパーに入って買い物をする。

 20時前 テアナウ洞窟のツチほたるツアーに参加するため、桟橋に着く。20:10高速遊覧船に乗り、出発。テアナウ湖を横断し対岸に20:45到着。まず、建物内で洞窟の誕生やツチほたるなどを説明した映画を見て、21:05いよいよ洞窟へ。

 暗い洞窟内の細い道を歩いて行くと、直ぐに水量の豊富な川があった。、それに沿って奥深く入っていく。遠くから力強く激しい音が聞こえ、洞窟の中とは信じられない巨大な滝に出くわし驚愕した。殆ど灯かりがなく、やっと前の人について歩いていたところ、10人ほどが乗れる小さなボートに乗り移った。

 ボートは横に張られた綱を手繰って、ゆっくりと静かに進んで行く。暗闇に目を凝らしていると、夜空に輝く星のような青白い光が飛び込んできた。その光景は幻想的で、神秘さを感じるとともに、数の多さには壮観な印象が残った。

 21:50乗り場に帰り着き、22:05出発、22:50テアナウの桟橋に帰着した。

  本日の走行距離 45.8km  (累計走行距離 980.2km)


  99.10.30 (第9日目)  キーサミット・トレッキング

 天候 テアナウ 晴れ  キーサミット 曇り

 6:00起床、6:45今日もホテルのショルダーベーコンの朝食を食べる。山並みが水面に映っているテアナウ湖のほとりをゆっくりと歩いてモーテルに戻る。8:15モーテルを出発。9:15デバイド峠に到着、今にも雨が降り出しそうな天候、身支度を整える。きれいな羽の小鳥が1羽、逃げもせず歩きまわっている。

 9:30 キーサミット をめざし、ささやかなトレッキングを開始。大きな樹木と巨大なしだが茂る薄ぐらい道をゆっくりと登る。しばらくして2段に落ちる滝があり、1段目と2段目の間の粗末な吊り橋を9:50に通過。

 10:25 ルートバントラック と キーサミット との分岐点に着き、小休止。きっちりとした標識があり安心する。10:30道を右にとり再びトレッキング開始。まもなく樹木がなくなり視界が開ける。

 10:50 キーサミット に到着、標高919mの標識がある。小さな池が点在し、平坦な平原のかなたに雪をかむった雄大な山脈の連なりが一望できる。整備された自然歩道を周遊する。小高い丘の反対にまわると、雲がびっしりと敷きつめられている。強風が吹くと鋭く尖った山頂をかいま見せる。晴天ならここの風景はみごとだろうなぁ。いささか残念だ。

 12:00平らな石に腰をおろし、サンドイッチ、暖かいコーヒー、バナナ、チョコレートの昼食をとる。雨の気配が濃くなってきたので、12:30下山開始、13:40デバイド峠に着く、荷物を整理し、トイレを済ませて、14:00ミルフォードサウンドに向けて出発する。

 ミルフォードサウンドに向かうに連れて、次第に天候が回復してきて、ホーマートンネル入り口で車を止めたときは快晴になっていた。右手の谷が深く刻まれ、山頂がコールタールのように黒い山の、山頂近くから一条の滝が白く流れ落ちていた。

 「ホーマートンネル」 Homer Tunnel の通行には難渋した。トンネル内は照明がなく、また未舗装道で凹凸が激しく車体が左右に傾く。道幅も狭い。20〜30kmぐらいのスピードで乗用車とのすれ違いでも、神経を使う。バスと1度出合ったときは、互いにドアーミラーを入れて、左はトンネルの壁に擦れるのではないかと思いながら、本当に僅かづつ前進させた。

 トンネルを越えると姿の端正な山が見え、紅葉のまじった林の中の坂道を下っていった。15:50ミルフォードサウンドの乗船場に着き、駐車場に車をとめた。

 本日の走行距離 119.1km (累計走行距離 1,099.3km)

おりおりの熟年生活(ニュージーランド南島レンタカー旅行)