マウントクック レンタカー旅行記

 フッカー氷河・タズマン氷河ハイクと遊覧飛行



 99.10.26 
(第4日目)  マウントクック

  天候 テカポ 曇り  マウントクック 薄曇り(時々 薄い陽射し)後霧雨

 今日はマウントクックに向かい車を走らせる。どのような風景を見せてくれるのだろうか。山が赤く焼ける姿を写真に撮りたい。天候が気になる。

 6:00起床、7:05チェックアウト、曇り空のテカポからマウントクックに向かう。ルックアウトポイントにさしかかるも視界が開けず、そのまま通過する。途中で故障したバイクの横でヒッチハイクの合図をだしている青年を乗せる。これから行くハーミテージホテルの従業員で、出勤途上とのことだった。僅かな時間だったが雑談をし、フッカー氷河のことなどについて教えてもらえた。

 8:45 「マウントクック」 Mount Cook にあるホテルに着く。今夜から2泊予定のハーミテージホテルだ。レストランに行きバイキングの朝食を済ませ、売店で昼食を購入して、フッカーバレーに向かう。

 10:10ホテルを出発、 フッカーバレー Hooker Valley Track 入口の駐車場に10:25到着。雨の準備などの身支度を整えて「フッカー氷河」へのトレッキングをはじめる。

 左に真っ白な雪をいただいた マウントセフトン を眺め、フッカー川の流れに沿って平坦でよく整備された山道を行き、第1の吊り橋に着く。かなり速い流れの川をまたいでかかっている揺れる橋を、ゆっくりと渡る。やや狭く崖にきられた道を通過して第2の吊り橋へ。

 しばらく歩くと大きな岩に出会う。岩の前に立つとマウントクックの勇姿が近くにあった。迫力満点だ。ガイドに引率されていたツアーの人々は、おおいに満足しながらそこから折り返していった。

 さらにしばらく進むと右手にシェルターが見え、裏手からはマウントクックが一段と大きく聳えて見えた。木道の上をふたりの男女が元気良く進んでくる。おいしい空気と美しい眺望を満喫しながら、わずかなアップダウンのある山道を歩く。

 12:40小高い丘の頂きに着くと、突然フッカー氷河の溶けた水でできた 氷河湖(ターミナルレイク) が、目に飛び込んできた。崩れ落ちた氷河がいくつも浮かんでいる。

 すこし先には氷河の先端で氷の壁がある。氷河の上は黒く汚れていたが、崩れ落ちた壁際は、淡く透明感あふれるグレーシャーブルーで神秘的な色だった。

 あたりは小さな岩でごつごつしているが、眺めの良い腰をおろせる平坦な所を探しだして座り、持参のサンドイッチと暖かいコーヒーで一服した。

 食事をしていると氷河湖に沿った岩陰から、ふたりの若い女性が姿をみせ近づいてきた。日本人らしい。先方から声をかけられる。静かな山中でたった4人だけで、この贅沢を楽しんだ。

 曇り空でいまにも雨が降りそうなので、後ろ髪を引かれる思いで13:10湖を後にする。霧雨が時々降ってきて、足元が滑りやすくなってきた。トレッキングコースを縦走してきた一群7〜8名の若者に追い抜かれる。第2の吊り橋とそれに続く崖を削った狭い山道は、慎重に足を運んだ。14:55駐車場に帰り着く。

 15:20ホテルフロントで日本人女性のところに行ってチェックインする。マウントクックが見える部屋を予約したのだが、あいにくの曇り空で遠方までは見えない。ベランダで暖かい珈琲を飲み、一服する。
 本日の走行距離 108.9km (累計走行距離 371.5km)


  99.10.27 (第5日目) マウントクック・タズマン氷河

  天候 マウントクック 雨(強風)  タズマンバレー 晴れ 

 6:30起床、ベランダに出る、前方にあるはずのマウントクックは見えない、左手の マウントセフトン はすこし霞んでいるが全容が見える。

 8:00朝食、その後、前のベンチでコーヒーを飲んでいると、昨日フッカー氷河湖で出会った2名の女性が通りかかり、どちらからともなく挨拶をして話が弾む。2名は同級生で今は京都と埼玉に住んでいて、バス利用のニュージーランド周遊をしているとのこと。雨が降っているので14:00過ぎのバスまでホテルにいるのみと残念そうだ。天候はどうか不明だけれども、タズマンバレーまでのドライブに誘った。

 9:30ホテルを出る、強風は変わらないが、雨は次第に小降りになり、ついには降り止んだ。10:40 タズマンバレー Tasman Valley に到着、10:55氷河が見晴らせる頂きに着く。強風で髪が舞い、体は吹き飛ばされそうになるが、真っ黒で荒々しい山肌と渓谷の氷河の白さの対比が美しい。
 
 天候はさらに回復。澄んだ青空が拡がって来た。12:10 ピーターズルックアウトポイント に車を入れる。目の前のプカキ湖の優美な青色と、遠方のマウントクックをはじめとするサザンアルプスの雪で白く覆われた連山が一望にみわたせる。絵葉書のような景観におおいに感動した。13:10ホテルに帰着。

 昼食後、バスでクイーンズタウンに向かう彼女たちを見送る。小降りの雨の中、マウントクック村を散策。そろそろ給油が必要だろうと、ガソリンスタンドをさがすがどこにもない。やっと教えてもらっていったスタンドは無人だった。

 クレジットカードを挿入してから給油することになるらしいが、カードを上手く読み取ってくれない。悪戦苦闘、20分ほどして給油できたときは本当にホット一息ついた。
 本日の走行距離 131.7km  (累計走行距離 503.2km)


  99.10.28 (第6日目) マウントクック・マウントセフトン・遊覧飛行

  天候  快晴

 一晩中風が強く雨の音が聞こえる。5:30起床、白い山がしっかりと見える。朝食のためレストランへ、強風の後だからあるいは朝焼けの風景が見えるかもと淡い期待を抱いて、いつもは持たないカメラを持参する。

 6時前レストランのテーブルに腰をおろして、ヒョイと左手に目をやると、雪煙を高く舞い上げている マウントセフトン が、赤く焼けはじめた。これはついている。

 食事をほったらかして建物の外にでる。セフトンが真っ赤だ、雪煙も真っ赤に舞いあがっている。息を飲み込んで、刻々と変化し移ろう色彩の、あまりの美しさにみとれてしまう。早朝だからだろう、あたりにはまだ誰もいない。この風景をひとりじめとは本当にもったいないことだ。

 マウントクック もわずかに赤く焼けている。雪煙はセフトンよりも壮大に吹き上げているが、ほんのりとピンク色に染まっただけだ。娘は夕陽のすばらしい写真を撮ってきているから、夕方のほうがいいのだろうか。6:45興奮を胸におさえて、朝食に戻る。

 8:50ホテルを出発、ヘリコプター遊覧飛行 のため 9:10グレンターナーに立ち寄る。風が強く現在は飛行できない、この様子では何時飛べるかわからないとの説明を受ける。まぁ旅行のハイライトだからと、しばらく待ってみることにした。10時を過ぎて、飛べそうだから手続きをどうぞ、との案内がある。
 
 10:15ヘリコプターは6名を乗せて空港を飛び立つ。低い高度でプカキ湖を渡り、タスマン川を遡っていく。しだいに高度をあげ左手には、ひときわ高いマウントクックと直ぐ近くにタスマン氷河が見える。山小屋が小さく尾根に見える。ここからは見渡す限りの雪と氷河で真っ白だ。

 すこし広い処女雪の上に舞い降りる。太陽にきらきらと輝く雪氷原、鋭く尖った雪の山頂、夢の世界のようだ。この風景にヘリコプターと操縦士そして夫婦が入った記念写真を同乗者に写してもらう。簡単に登山者のような喜びを味わって、11:15グレンターナーに戻り着く。

 11:25グレンターナーを出発、11:55ツイゼルで昼食、スーパーで買い物。12:45ツイゼル発。13:30 リンデスパス にさしかかる、登りとカーブで時速60〜70kmで走行、峠で停車し走ってきた方向に目をやると広々とした草原がどこまでも続いていた。

 14:10 ベンディゴ で休憩、湖水、雪山と黄色い花の美しい景色を前に暖かいコーヒーで寛ぐ。ここは道路から少し離れて下るのだが、風景の素晴らしさやきれいなトイレなど、おすすめしたい休憩所だった。14:45ベンディゴ発、15:25 カウワラ で バンジージャンプ を見る。橋の上から川へ、頭から飛び降りている様子は迫力満点だ。

 16:20 クイーンズタウン Queenstown  に到着。記念写真を撮り、ダウトフルサウンド周遊とテアナウ・ツチ蛍見学の予約をして直ちに出発した。夕陽を浴びたきれいな ワカティブ湖 Lake Wakatipu と並行して走る。

 18:25 テアナウ Te Anau に到着。テアナウ湖が目の前のモーテルにチェックイン。今日はすこし疲れたので、直ぐ近くのホテルレストランに行き夕食、鱈のフライが美味かった。モーテルまでは波静かなテアナウ湖畔をゆっくりと歩いて帰る。

 本日の走行距離 431.2km  (累計走行距離 934.4km)

おりおりの熟年生活(ニュージーランド南島レンタカー旅行)