クリスタッロ山


4人乗りリフト

立ち乗りゴンドラ

遠くまで見える絶景

山頂に二人


ゴンドラの反対の山


小屋のテラスで


小屋のテラスで


ゴンドラ乗り場へ

 1962年制作のアメリカ映画「恋愛専科」。その中でドロミテの風景が登場し、屋根のない二人乗り・立ち乗りのゴンドラに主役の恋人ふたりが飛び乗り、山頂を目指すシーンがある。

 今回の旅行は、このゴンドラに乗りに行こう。ドロミテの風景も一度は見ておきたいとのたわいのない話からはじまった。コルチナ観光局にメールで問い合わせ、それはクリスタッロ山にあると教えられた。

 本来自由行動は昼食後からとなっていたが、それでは乗り合いバスでクリスタッロ山を往復する時間がない。そこでミズリーナ湖からコルチナへの帰途、途中にあるクリスタッロ山へのロープウエイ乗り場前の リオ・ジェーレ Rio Gere で降ろしてもらへないかとお願いした。

 何せロープウエイに乗っている時間だけで往復2時間弱必要だし、リオ・ジェーレからコルチナへのバスは15時10分発だから。リオ・ジェーレには12時05分到着。山頂で1時間は滞在できるぞ。

 バスを降りたその前にクリスタッロ山が大きな姿で存在している。そこのバールかレストランのような小屋に行き持ち帰りのバーガーを作ってくれるように頼む。それを山頂の小屋で食べようと。

 Rio Gere(標高1,690m)のリフト乗り場へ。4人乗りのかっこいいリフトに腰をおろす。約13分の乗車時間で、ソン・フォルカ Son Forca(2,235m)に到着。

 山小屋のテラスで数名の人が食事をしている。くつろいで自然の中に溶け込んでいる。山小屋の背後にクリスタッロ山が迫っている。数分歩いていよいよ二人乗り・立ち乗りのゴンドラだ。

 二人乗り・立ち乗りのゴンドラ乗り場だ。クリスタッロ山の岩肌が鋭角に切り立っている。岩肌の間には白い砂の急斜面。その斜面を下にしてゴンドラは動いていた。カラフルな赤と黄色だ。

 ゴンドラに乗る。家内と二人の背中に担いだザックが邪魔だ。ゴンドラの中は本当に狭い。対面のゴンドラはかなり左右に揺れている。こちらも同じだろうが、そんなには感じない。

 窓から身を乗り出し開放感を味わう。ゴンドラはかなりの高速だ。それでも23分も経過して スタウニス Staunies(標高2,950m)に着く。遠くを望むとドロミテの山々が連なる絶景が展開している。

 さらに ロレンツィ小屋(3,000m)へ。テラスからは クリスタッロ山 Monte Cristallo(標高3,216m)の山頂が直ぐ前にある。山頂には雲がかかるが、垣間見ると二人の影が見える。

 登頂できたのだろうか。山頂から山小屋まで何人ものアルピニスト達がザイルで体を結び合って戻ってくる。体を温めようとコーヒーを購入バーガーをほおばりながら、眺めていた。

 ゴンドラの反対側に梯子を上がる。岩には30年前の遭難者のレリーフがかかっている。その先は雪の塊。そこから先には進めない。左手で鎖をつかみ身を乗り出す。見えたのは先の尖った美しい姿の山だった。

 再び山小屋に戻り、テラスに座る。雲の動きに合わせて風景が変化する。クリスタッロの岩肌が荒々しく迫る。感動を覚える光景が次々と展開していく。

 ゴンドラ乗り場に向かい山頂を見上げたら、山小屋のイタリア国旗が風にはためいていた。サッカーワールドカップ大会のイタリア優勝を祝福しているようだった。 

おりおりの熟年生活(海外レンタカー旅行)