ハワイ島 (キラウエア火山)


 2002.10.12 (成 田)

  天候晴れ

 ハワイ4島レンタカー旅行に出発の日を迎えた。まずはじめに訪れるハワイ島では、キラウエア火山の溶岩が海に流れ落ちる風景が見られるように期待する。

 海外旅行では、はじめて車をパーキングに預けることになった。また、いつものことながらレンタカー運転中の事故の保険に空港で手続きをして加入することにしている。さらに機内食を食べていると睡眠時間が十分にはとれなくなるので、搭乗前に空港内で夕食を食べる予定だ。

 あれやこれや空港で処理することがいくつもあるので、すこし早めに自宅を出て成田空港(新東京国際空港)に向かう。約35分で到着。車をパーキングに預け、空港第2ターミナルまで送ってもらい、18:30に着く。まずはじめにJALのカウンターで搭乗手続きを済ませ、重たい荷物を預ける。

 いつものように保険会社の窓口に行き、海外旅行傷害保険にレンタカー運転中の補償付きを申し込むが、現在は取り扱っていないとのこと。隣にある別の会社の窓口でも同じ。理由を尋ねると、アメリカでの補償額が大幅に引き上げられたので、取り扱いを中止したとのことだ。

 確かに、ハーツから送ってもらった冊子(アメリカ中西部旅行のために依頼した)によると、対人補償は従来の175,000ドルが1,000,000ドル(ハワイは2,000,000ドル)になっていた。これまでは現地で、不充分な英会話では間違いをするおそれがあるので、国内で契約してから出発していたが、取り扱っていないのでは仕方がない。出だしから先が思いやられることになった。

 簡単な夕食を摂り、21:00日本航空コナ直行便に搭乗。21:25定刻に出発した。

 機内でアメリカ入国に必要な、査証免除、到着/出発記録、関税申告書が配られたので、記入。スナックをつまみながら白ワインのミニボトル1本ををあけ、ざわついている機内をしりめに睡眠をとる。機内食はパス。


  2002.10.12 (ハワイ島ーキラウエア火山)

  天候 晴れときどき雨

 窓から陽射しが入ってしばらくすると、簡単な軽食がでた。窓から外をのぞくとハワイの美しい島々が眼下に見え、乗務員の案内放送に歓声があがる。ハワイ時間 9:15定刻にハワイ島 Hawaii:The Big Island コナ空港 に着く。

 機内から見るコナ空港は溶岩と枯れ草の中に滑走路があり、ハワイ島が火山の島であることを、強く印象つけられた。

 南国の明るい太陽が降りそそぐ中、最後尾からタラップを降りる。飛行機の前で記念写真を撮り歩いて行くと、皆大きなテントの中に入って行く。なんとこれがイミグレーションだった。私はビルでないのは、初めてのことでやや驚いた。

 入国審査が昨年までに比べると格段に慎重になっているようで、最後尾ということもあって、イミグレーションを通過したのは 10:30と大変に時間がかかった。

 さて、「両替を・・・」とあたりを見まわしたが、銀行らしきものは見当たらない。バッグを引きながらビルの外に出て、インフォメーションで尋ねると「空港に銀行はない。カイルア・コナに行けば両替できる銀行がある。今日は土曜日なので12:00までは営業している」とのこと。

 いつものように空港で現金を両替する予定で、ドルは全く用意していないから、これには困った。食事やチップに必要だから、とにかく銀行に12:00までに駆け込むことだ。

 これもはじめてのことなのだが、レンタカー借り入れの手続きとレンタカーの駐車場所が空港ではなかった。バジェットのバスで近くの事務所まで行くようだ。銀行の空いている時間までにカイルアコナまで行かないとチップも渡せなくなってしまう。ホテルでの両替は高くつくのだがなぁ。

 バジェットの窓口で、レンタカー借り入れ手続きと保険契約を済ませる。保険契約は日本語の説明書があったので助かった。運転は妻と2名と申告。比較的てきぱきと手続きを終えた。車は何種類かの写真の中から選べという。その中に自宅で乗っている車のアメリカ工場生産車があったので、それを選択。新車ですとの話だ。

 急いで駐車場に駆けつけ、車の走行距離をみると365マイルとなっている。おそらくはまだ1度貸し出しただけの新車だろう。車の操作を確認。運転席が左にあることを除き、操作はすべて自宅の車と同じ。これは助かった。いつもはここで時間をとられるのだが、今日は極わめてわずかの時間をかけただけで済んだ。

 11:10出発。溶岩の中の道を走る。教えられたとうりに進み、銀行(First Hawaian Bank Kona Branch)に到着。ショッピングセンターの一角に店舗がある。やれやれ間に合った。窓口は数ヶ所あるが、一列に20名ほどが並んでいる。最後尾に並ぶ。

 ショッピングセンターの駐車場に車を留めて銀行に行ったので、ここで昼食をとることにした。KFC(ケンタッキーフライドチキン)でハンバーガーを購入、屋外のベンチに座り、あたりの風景を見ながらハワイで最初の食事となった。

 12:40 ショッピングセンターに近い ホテルにチェックイン。洗顔や身づくろいをして気分を落ち着ける。

 13:15 計画よりもかなり遅れてホテルを出発。道路にカーブが多く、しかも一時雨が降ってきて、距離の割には時間がかかる。途中で交通事故の処理で片側通行にも出会う。

 14:25 登り坂の途中に見晴台があったので車を入れる。風が非常に強い。あたり一帯は溶岩だ。改めてハワイ島は火山の島だと思った。

 目指している ハワイ火山国立公園 Hawaii Volcanoes National Pake の 
キラウエア火山(標高1243m) は世界で唯一、車で乗り付けが可能な活火山で、今もなお活発な火山活動を続けている。

 15:35 キラウエア・ビジターセンター Kilauea Visitor Center に着く。溶岩が真っ赤に流れている様子を観たいと聞いたところ、「夜暗くなってから、溶岩が海に流れ落ちるのを観ることができる。車から徒歩15分。案内標識は完備しているので、暗くなっても道を間違えることはない」と。

 キラウエア火山の見所を尋ねる。「火山山頂の大陥没地と周遊道路にある観光地点、プウオオ噴石口からの溶岩流が海に流れ落ちる展望台」とのこと。

 地図をくれたり、詳しく説明してくれたりと実に親切だった。

 16:00 ビジターセンターを出て、クレータ・リム・ドライブ(1周17.6km)に向かう。

 最初の展望台キラウエア・オーバールックからの眺めは驚きだ。クレーターの広さが昔行った富士山や阿蘇山に比べて大変に大きい。クレーターの底は平坦でさまざまな色の縞模様がひろがっている。霧雨の中その底から虹がかかる。噴煙もところどころで立ち昇っている。ハワイ火山観測所やトーマス・ジャガー博物館を左手に見ながら、時間の関係で先を急ぐ。

 亀裂地帯も壮観だ。溶岩は黒く固くかたまり、大きく波打って、逆光に輝いている。荒涼とした溶岩の亀裂はどこまでも続いている。溶岩の上は1本の草木もないが、亀裂の中には、ところどころ小さな木が、生命力を誇示して緑の葉っぱをひろげてはえている。

 ハレマウマウ・オーバールックの駐車場に車を入れる。約10分ほど歩くと、活動が最も活発で蒸気が激しく出ているハレマウマウ火口の縁だ。硫黄の臭いがきつく鼻につく。

 赤い溶岩流を観るため、片道32kmのチェーン・オブ・クレーターズ・ロードを高度1128mから海岸に向かっていっきに下る。

 18:00 溶岩流でせきとめられて現在は道路が行き止まりとなっている地点に着く。帰りの車線が駐車場代わりになっていたが、何と2km以上も車の列だ。行き止まり地点に妻と娘を降ろして、引き返すが車の列は更に伸びていた。

 妻はしばらく前に足首を挫いており、暗闇の中ごつごつした溶岩の上を歩くのは危険だとの判断で、すこし離れたところから、遠くの山の中腹で小さく吹き上げる真っ赤な溶岩を眺めて満足することになった。

 展望台への道路の標識は白く小さいが、10mぐらいごとに溶岩の上にあって、これをたどれば暗闇でも帰ってこられると安心した。もっとも観光客が非常に多く、行列をつくって歩いているので、そのような心配は不要だったが。

 行き止まり地点から歩きはじめて15分、ここから先は「立ち入り禁止」とロープが張られている。右手と前方に水蒸気と、ときどき吹き上がる真っ赤な溶岩が観えた。漆黒の闇の中、夜空を焦がして突然出現する、灼熱の溶岩の炎。そのあやしい美しさに引きつけられて、はっと気がつくと1時間も眺めていた。十分に堪能したとはいえ、魅惑的な光景をいつまでも見ていたかったが、待っている妻のこともあり19:40 その場を離れた。

 20:20 国立公園内で唯一のホテル ボルケーノ・ハウス(VOLCANO HOUSE)に到着。宿泊のホテルに帰ってからでは食事はなかろう。食事ができるかどうか尋ねたところ、1時間ほど後なら可能とのこと。この素敵なホテルのレストランでの食事を楽しもうと予約して、ホテル内をぶらぶらと歩いたり後、暖炉の赤い炎の前のソファーに腰掛けた。

 22:30 ボルケーノ・ハウスを出発。途中ガソリンが少なくなってきたので、24:00 道路沿いのスタンドで給油、24時間営業のスタンドが数店舗あった。州道11号を走ってきて宿泊のホテルまであとわずかのところで、道を間違える。

 19号に入るのを見落として、知らない間に190号の表示がでてきた。そこは高台の住宅街で、そこから見えたカイアナ・コナの夜景はオレンジ一色で上品な風景だった。やさしい灯かりは、星空の天体観測への影響を少なくするために、オレンジ色で統一しているそうな。

 少しバックしてカイルア・コナの灯かりを前方に見ながら坂を下り、1:25ホテルに着いた。こちらの時間では真夜中だが、日本時間ではまだ20:25分だから宵の口にすぎないなぁ。。2:00就寝。

 本日の走行距離 418km

おりおりの熟年生活(ハワイ4島レンタカー旅行)