氷河特急 GLACIER EXPRESS 


 97.6.3 (火) 曇りのち晴れ

 5:00 起床、しばらく散策、 6:40 朝食 7:15 ホテル出発。氷河特急乗車に期待が膨らむ。

 はじめの予定はルッチェルン経由だったが、スーステン峠が通れるようになったので、スーステン峠経由でアンデルマットに行くとの説明があった。風景が楽しめ、早く着くのでアンデルマットで自由時間ができるから、ハイキングルートをすこしなら歩けるでしょうとの話。

 峠道に入ると氷河が見えてきた。途中はガスが深い。残雪が積もり立山のアルペンルートが思い浮かぶ。8:10 スーステン峠 に到着。天候があいにくだったが、記念の写真を撮る。おいしい空気を腹いっぱいに吸い込んだ。スーステン峠を離れるにしたがって、晴れあがってきた。

 9:20 アンデルマット に到着。3日目から同行のドライバー・フェルナンドさんとそのバスとは、ここで別れて帰っていった。

 自由時間は11:15までと比較的たっぷりとある。ちいさく落ち着いた町中に入る。銀行があったので、少額をスイスフランに交換した。田舎の銀行にはいったのははじめてだが、仕事はてきぱきとさばいていた。

 土産物屋に入り、カウベルを購入。帰国後は開田高原の山小屋のドアにぶらさげて、開閉ごとに音を聞いている。

 本当にすこし歩いただけで町はずれの、緑の草が一面にはえているハイキングコースに着いてしまった。快晴の青い空に向けて、両手を広げおおきく伸びをする。ひろびろとした野山のなかをゆっくりと散策した。

 11:15 駅に集合、竹中屋謹製の幕の内弁当とお茶を受け取る。駅においてある氷河特急のパンフレットや時刻表を持ち帰る。左手から赤い色の電車が現れて、乗車。このグループだけでリザーブしている車両とのこと。座席の半分ぐらいの人数でゆったりと座る。

 11:25 氷河特急 Glacier Express 発車。新婚の Sさんは、底が傾斜しているグラスにワインを注いで乾杯している。グループもお相伴にあずかりおおいに盛り上がる。

 車窓から身を乗り出して風景を愉しむ。前後の車両の外人も同じように頭の髪の毛をなびかせて写真をとっている。万年雪の山を背景に、列車はカーブしながら鉄橋を通過していく。

 氷河や水しぶきをあげて流れ落ちる滝、奔流となってさかまく急流の川、緑とわずかに見える花々、つぎつぎとあらわれ風景にとけこんだ家々、変化に富んだ自然の美しさに感激し、景色が変わるごとに歓声があがる。子供に返ったような無邪気な楽しみだった。

 発車して間もなく急勾配のヘアピンカーブをあえぎながらのぼると、世界最長 14千メートルの新フルカトンネルもあった。トンネルの中では口々に興奮した表情で、感想を話している。反対からくる列車を待つ。途中からは列車の進行方向が逆になった。

 14:45 ツェルマット に到着。電気自動車に荷物を積み込んでホテルに運ぶ。われわれはメインストリートを歩きながら、ショウウインドーをのぞく。川を渡ったところからマッターホンが見えて、しばらく写真撮影となった。

 ホテル到着後、食事までは自由時間だった。マッターホルンの写真を写したり、すてきな柄のセーターを購入したり気ままに過ごす。Nさんご夫妻はホテルのベランダのテーブルで、ラーメンとワインという不可解な取り合わせで小腹を満たしていた。

 19:00 バイキングの夕食。食後ひとり旅の Oさんとコーヒーを飲みながら、楽しい旅行の話をした。部屋は偶然隣あわせだ。今回の旅行では最も贅沢なつくりで、設備も調い、広さも十分、いままでの快い疲れが一度にとれた。

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