アメリカ出入国顛末記

はじめに

 私たち夫婦はレンタカー旅行で、アメリカからカナダ、カナダからアメリカに入国したことが何度かあり、使用中のパスポートにも入国記録が載っている。パスポートを提示すると車に乗ったまま2・3簡単な質問があり、その場でパスポートに押印し、パスポートが返却され入国できたのだった。

 しかし今回の旅行では、アメリカ入国の際にいつもよりは詳しく調べられ、帰国時の出国カードの返却では苦労した。その顛末を掲載します。

旅行行程と旅行者

 今回の旅行は、前半すなわちカナディアン・ロッキーとイエローナイフは日本から私たち夫婦と義妹の3名、後半すなわちメープル街道とナイアガラ瀑布はアメリカ在住で永住権を持つ娘夫婦2名が加わり合計5名となった。

 メープル街道のうち、セントローレンス川の中にあるサウザンド・アイランドは風光明媚な島々で著名人の別荘も多い。このサウザンド・アイランドに沿った道はカナダ側とアメリカ側にあるが、シーニック・ロードと表示されているのはアメリカ側の道だった。そこでアメリカ側から眺めようと考えた。

 この旅行はカナダが中心だが、アメリカ入国は2回となった。すなわち旅行者にとって人気のナイアガラ瀑布の観光にはアメリカ側からもと当初から計画していた。それに加えてセントローレンス川沿いのシーニック・ロードもアメリカ側を走ることにしたのだった。

アメリカ入国時のこと

 最初のアメリカ入国は行程の関係で、一般旅行者が殆ど通らない場所となった。入国時簡単な質問があるだろうから会話ができる娘たちを運転席にと考えた。1台目は婿と私たち夫婦の3名、2台目は娘と義妹の2名が乗った。

 入国管理事務所のブースに到着。5名の永住証とパスポートを提示したところ質問はなく、パスポートなども返却されない。指示されたのは車を駐車場に入れ鍵をつけたままにしておくこと。5名は建物の中に入ることと。係官はパスポートなどを持ったまま建物に入り、事務所の係官に手渡しながら何か話をしていた。

 事務所の係官4名が私たちの前に。娘夫婦に簡単な質問後永住証を返却して少し離れた椅子に座っているようにと指示をした。

 私たち3名は顔写真を撮影され、手指10本の指紋を採取された。運転免許証、国際運転免許証、レンタカー契約証などの提示も求められた。パスポートの全頁を丁寧にめくり提出した書類を確認した後質問が始まった。

 3名の関係、何時日本を発ちカナダにはどこから入国したのか、何処を訪れこれから何処に行くのか、アメリカ入国の目的は何か、その他いくつも質問された。しばらく椅子に座って待つようにと指示された。

 少し離れた出入口には拳銃を腰にぶら下げた係官が立ってこちらを見ている。外の様子を見ると2名の係官が、2台の車とも車内やトランクを開け、車体の下に鏡を入れて調べている。なかなか入念にやっているなあ。

 4名の係官のうち3名は私たちのパスポートを持ち、1ページ毎に指で撫で、透かして見ている。1名はパソコンを操作し、ときどき何やら3名に話している。かなりの時間が経過した。

 車を調べていた2名が4名の許に来た。6名でしばらく話していたが、やっと結論が出たようだ。パスポートを調べていた3名がカウンターにきて私たちを呼んだ。OKです。書類に記入してビザ発行代ひとり6ドルを支払ってくださいと。

 記入した書類から出国カードを切り離し、パスポートにとめながら、トロントで飛行機に搭乗する前この出国カードを係員に渡してください。アメリカを出国したことを記録しますからと。

 返却されたパスポートを見ると滞在期限が記載された入国ビザとなっていた

 トロント出国のこと

 出国カードはトロント空港で飛行機搭乗前に返却するようにと指示されていたのだが、実際にはトロントでは返却できなかった。

 飛行機の搭乗手続きの際、出国カードを返却するようにといわれた搭乗時に返却できるか訊ねたら、そのようなことはしません。空港内にアメリカ政府の事務所があるからそこのことでしょうと。

 アメリカ政府の事務所のドアーは閉まっていて、呼び出しホーンを鳴らすも返事がない。カナダ政府の事務所がその前にあったのだが事情は同じで、出国カードは日本帰国後返却を検討せざるをえなくなった。

 そうなると、トロントに今滞在し、トロントから日本に向かったことの証明がいるのではないかと考えた。

 レンタカーの返却と代金支払いのクレジット・カードの記録、航空機の搭乗券、それらはいずれも私の氏名が記入されている。でも妻と義妹は搭乗券の他には、トロントに滞在したことを証明できない。そのため空港内の免税店で買い物をして、クレジット・カードで支払いをして、氏名の入ったレシートを受け取った。

 出国カードの返却

 承認された期限内にアメリカを出国したと記録されないと、再びアメリカに入国できるかどうか分からない。帰国後直ちに出国カードの返却について調べた。

 アメリカ駐日大使館のホームページを検索したら、「I-94出入国記録カード」に 出国カードの詳しい説明、持っているときはどうすればよいか、出国を証明するには何が必要かが掲載されていた。

 早急に下記文書を作成、必要書類を添付して、出国カードを返却した。

DHS - CBP SBU
1084 South Laurel Road
London,KY 40744
USA

To whom it may concern:

 We would like to return I-94Ws issued for S.O, M.O and K.M on October 6, 2009. We forgot to return them when we left the United States and entered Canada by car at Niagara Falls on October 8, 2009.

 Please find attached the following items as proofs that we have left the United States

- Copies of our passports, including Japanese immigration stamps dated October 10, 2009.

- Original boarding tickets issued by Air Canada at Toronto Airport on October 9, 2009.

- Copies of receipts for the purchases made at Toronto Airport on October 9, 2009.

-
A copy of a receipt issued upon returning a rental car to Hertz at Toronto Airport on October 9, 2009.

- A copy of our e-ticket including our names and itineraries issued by Air Canada.

Sincerely,