オーストラリア5,300kmのレンタカー旅行

    心に響くオーストラリアの大自然

 ナラボー平原と大断崖
   
(Australia's Great Road Journey)
   
 
風が一日中吹きすさぶ、広大で不毛な荒野「ナラボー平原」(Nullarbor Plain)。そこは高さ僅か20〜30pの草とブッシュ、さえぎるものなくどこまでも果てしなく続く地平線、そして世界一直線距離の長い鉄道(487km)と道路(148km)だけの無味乾燥とした荒涼な大地・・・・ではなかった。


 
海岸(Great Australian Bight)は、オーストラリア大陸が南極大陸と分離してできた驚異の大断崖(Bunda Cliffs)(高さ90〜180m、長さ350km)。それは想像を絶する景観だ。
 
 
断崖にしがみついてひっそりと咲いている小さな草花、断崖の真下で勢いよく潮を吹き上げながら悠然と泳ぐ親子の鯨。逞しい生命力と新しい生命の誕生に感激した。

 
断崖の途切れた海岸に広がる幻想的な「ユークラの砂丘」、砂丘の上で赤い羽を見せながら群舞するピンクコカトー(オーストラリアを代表するオオムの一種)。かつては大陸の東と西の通信を中継した電信所が、ひたひたと押し寄せる砂丘に飲み込まれて埋もれてしまった光景。

 
海岸から陸に目を向けるとそこは「ナラボー平原=ナラーバー平原」。わずかな起伏があるだけで、走っても走っても見渡す限りだだっ広い360度の地平線。一望千里とはこのような景色だったのか。飛行機から見たのは茫漠たる大地、我が目を疑うような光景だ。

 
Greet Australia Bight Marine Natinal Park」と
Nullarbor Natinal Park」の新鮮な風景に興奮を抑えけれない



 グレートオーシャンロード=Great Ocean Road
  (Port Campbell National Park)

 
ナラボー平原の前に訪れた景勝地「グレートオーシャンロード」で最初に見たのは、雨上がりの虹と一瞬の光に輝く「ポートキャンベルの大断崖」。それは視界の果てまで続く壮観としか表現のしようがない絶景だった。

 
翌早朝に再度訪れて見たのは、月明かりの静謐さのなかに浮かぶ「12使徒」の夢幻の世界、荒々しく押し寄せる波に立ち向かって毅然と屹立しているいくつもの岩の荘厳さ、絶壁の上で物静かに風を受けながらいつまでもとどまっている真っ白い羽の野鳥。時間のたつのを忘れて立ちつくしていた。


 
クーロン国立公園
  
(Coorong National Park)
 
「クーロン国立公園」は風紋の美しい砂浜が広がっていたが、期待した白砂の砂丘には4WDでないと行けず、出会えなかった。しかしここは水鳥の保護を取り決めた「ラムサール条約登録湿地」(野鳥の生息数240種類)で、幾種類かの野鳥を見ることができた。

 その中でも圧巻は次から次へと編隊を組んで飛んでくるペリカンだった。「ペリカン」が生息していることは出発前に知ったが、天空高く飛翔するとは考えてもいなかったので大きな驚きだった。ビューポイントに設置の望遠鏡でのぞくと対岸には無数のペリカンが羽を休めていた



 フリンダースレンジ国立公園
  (Flinders Ranges National Park)
 
フリンダースレンジ国立公園の「ウイルピナパウンド」では、目に沁みこむ岩肌の形と色、山火事に木肌が黒焦げに焼けながらも逞しく成長を続けているユーカリの森、カンガルー、野鳥、あちこちに咲く草花などに出会って美しい自然を満喫した。

 
また、ここはサイクリストのメッカのようで、10人前後のグループがいくつもきていた。


 ピナクルス 
  (Nambung National Park)
 
パースから訪れた「ピナクルス」。砂漠の中に立つ無数の岩石、インド洋に沈む夕陽、岩石の間から射し込んだ日の出の陽光、周辺の道沿いにひっそりと咲いている数知れない「ワイルドフラワー」、道を横切り、お母さんのお腹から好奇心丸出しで顔を出している子供のカンガルーなどおおいに楽しんだ。

 
ピナクルス周辺はワイルドフラワーのオンパレードだ。道路脇だけでもひっそりと、あるいは群生して、さまざまな花が咲き誇っている。花好きにはたまらないだろう。

 
「ジョンフォーレスト国立公園」や「ヤンチャップ国立公園」もワイルドフラワーが満開で天国だった。


 
エアーズロック
  
(Uluru-Kata Tjuta National park)
 
はじめてのオーストラリア旅行なのでついでに寄ることにした「エアーズロック」。夕暮れに見た光景は、息を飲みこむ色彩の変化、多様さ。幻想的な風景に酔いしれた。

 
オルガ上空の夕焼け空の表現のしようがない美しさ、広大さ、この機会に訪れて本当にすばらしかった。


 
グリーン島・グレートバリアリーフ
  
(North Barrier Reef National Park)
 
純珊瑚(コーラルケイ)の島「グリーン島」と「ノーマンリーフ」は、白い珊瑚の砂浜、さんご礁の海、海のなかを泳ぎまわる多くの魚、温帯雨林、数々のアクティビティがあり、心やすまるのんびりとした、素敵なリゾートだった。夕方から早朝にかけてのグリーン島は、僅かな宿泊客(46室・92名)と従業員だけで、落ち着いた、閑静な大人の世界だった。


 
2001.9.11のテロを知って
 
ウイルピナパウンドのトレイルに出かける12日の朝、NYのテロ事件を知った。旅行中テレビに写る映像はまがまがしく、騒然とした世界の動きは、次第に緊迫の度を強めていった。

 
地球の歴史がつくりだした、驚異の大断崖の縁に立ち、悠久無音の大自然に身を委ね、耳目を静かに傾けると、それこそが大河の流れだとの思いが湧いてきて、人間の存在の微小さを強く感じてきた。

 
大事件から遠く離れ、この旅行で味わっている贅沢と安全に、いいようのない幸せと感謝の気持ちが、心の中にふつふつとわいてくるのを抑えることができなかった。

 凄惨なテロで亡くなられた多くの方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

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