ア ン テ ロ ー プ キャ ニ オ ン

 アンテロープキャニオン Antelope Canyon はアッパーとロウアーとがあるが、今回はロウアー・アンテロープキャニオン Lower Antelope Canyon を訪れた。

 ロウアーはアッパーに比べると長さは約3倍の400m余りだが、極端に狭く、3ヶ所ほど梯子で下る。左上の写真は砂地を歩いてたどり着いた入り口で、この狭い割れ目から中に入り、狭い坂を注意深く下っていく。

 狭い空間がくねくねと続き先は見通せない。そのため反対側から来た人が突然現れる。右下の写真はシャッターを押す瞬間に現れた人が写ってしまったものだ。

 渓谷内は言葉では現せない美しさだ。頭上の狭い空間から射しこむ光線が、造形的なだけの壁面を幻想的な光景に表現する。壁に刻まれた細い線が浮かび上がって輝く。僅かに光の届く壁面は紫色に沈みオレンジ色を引き立てている。人の芸術作品では創りだせない幻想的な光景に強烈な印象が残る。

 アンテロープキャニオンは砂丘の固まった砂岩が、1〜2億年の間に風と洪水で浸蝕されて創りだされたそうな。

 渓谷内は余りに狭く、頭上の隙間も僅かしかない。そのため渓谷内全体に光線が反映するのは、太陽が天空にある正午前後の2〜3時間だ。アンテロープを訪れるなら最適な正午前後を選ぶことだ。

 ツアーの催行はアッパーだけで、ロウアーにはない。ロウアーは各自が自由に見学することになっている。そのため訪れる人が少なく、写真撮影の際に人が邪魔になることは殆どなかった。

 念のためにちょっと寄ってみるかとアッパーに行って驚いた。以前はなかった入場料徴収の小屋があり、広場には10台ほどのツアー会社の車が停まっている。数年前はまだ知られていなかったので、我々ツアー会社の車と他にSUVの車が1台だけだったのだが。


撮影日 2008.6.11
撮影地 ローア・アンテロープ・キャニオン

アメリカ南西部旅行