アンテロープキャニオン


 アンテロープキャニオン写真集
  (ANTELOPE CANYON)


 アンテロープキャニオンは光りが織りなす芸術作品だった。水と風が造った洞窟のような渓谷で、正午前後に一条の太陽光線が差し込むと岩の壁面が幻想的な色彩に変化した。

 アンテロープキャニオン (Antelope Canyon) のツアーは2種類あった。ひとつは8時からほぼ2時間ごとの出発で、キャニオン内の滞在が50分。

 いまひとつは11時30分出発でキャニオン内の滞在は2時間、太陽光線がキャニオンに射しこむ美しい光景をみられるとのことだ。このツアー(下記)に申し込んだ。

 Roger Ekis' ANTELOPE CANYON TOURS
 http://www.antelopecanyon.com

 ツアーは9名で、11時25分にジープで出発。砂漠の大変な悪路を轍にハンドルをとられながら進んで行く。入口は大きな岩の裂け目だった。その前に1台のジープが停まっているだけで大勢の人ではなさそうだ。

 キャニオンに一歩足を踏み入れたとたんに、歓声があがる。期待していた以上に美しく妖しい岩肌が目に飛び込んできた。

 いかなる芸術作品にも勝るすばらしさだ。人工的には創りだせない自然の美しい光景が展開している。

 ガイドの説明。長年の雪と氷と雨の浸食がこのキャニオンを刻んでいった。

 太陽の光線を中心にはじめの40分、それから後、岩肌の光彩を写すのがベター。フラッシュは微妙な表現をできないし、撮影中の人の迷惑になるので使用しないこと。

 いよいよ内部の案内がはじまる。キャニオンの中は狭い。やっと人ひとりが通れるような所もある。長さは200mもあっただろうか。

 滑らかな岩肌に、横に刻み込まれた幾筋もの細やかな筋、妖しく波打つ曲線、その造形美に魅惑されてしまう。

 ガイドは、この地点にはしばらくすると太陽のビームが射しこんでくる筈だと、立ち止まって教えてくれた。

 岩の裂け目から光線が射しこむ。光があたる岩肌は黄金色に染まり、その周辺は赤く燃えていく。陰の部分は濃紫になり、光の届かないところは黒くつぶれている。

 地球上でこのようなすばらしい光景がみられるのか。みな興奮しながらシャッターを押している。露出時間は写す対象によっては30秒もかかってしまう。

 お互いに撮影の邪魔にならないよう、ときには岩陰で待機してくれる。フラッシュを使って撮影している女性がいて、ガイドが使用しないように注意を与えたが、最後まで使っていた。長時間露光中のフラッシュがしばしばあり、何人かは迷惑そうな表情だった。

 14時を過ぎて入口にでてきた人々の顔は、本当に幸福そうな、十分に満足したものだった。

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