9月のオーロラ・アラスカ(フェアバンクス郊外)で撮影

 9月アラスカはフェアバンクス郊外でのオーロラ鑑賞に向かう。

 日本では「オーロラは冬の風物詩」のようになっているのは何故なのだろう。旅行会社のオーロラツアーが冬に多いのはどうしてだろうか。

 凍てついた大地の上に立ち、厳しい寒さに耐えて、オーロラを見上ると一層神秘的で美しいのだろうか。冬は空が澄みわたってオーロラがよりはっきりと見えるのだろうか。それとも晴天率から判断してオーロラを鑑賞できる確率が高いのか。そのすべてかも知れない。

 オーロラは自然現象で1年中発生しているそうだが、夜暗くならないと見えない。しかもオーロラが発生する地域(オーロラオバール)は限られていて、夏は白夜となる。当然ながらこの白夜の期間中はオーロラをみることはできない。したがって冬となるのだろう。

 この地域でも8月下旬から4月上旬までは、夜の暗闇が6時間以上あるのでオーロラをみることができる。だからオーロラを見に行くシーズンは厳冬期を避けた、秋とか春でもOKだ。

 秋ならばそれほどの寒さではないので、特別の防寒対策は不要だ。9月上旬 アラスカのフェアバンクス郊外で私の体験したオーロラ鑑賞では、人体の保温はシャツとセーターの上にダウンジャケットを着るだけで十分だった。

 カメラもまったく不要。冬なら保温のために炭のカイロやカメラに巻くカバーが必要だ。電池の持ちも心配だ。それに見事なオーロラを撮影中にフィルムが切れても、フィルムの交換は大変不便だ。

 さらに秋ならば、夜はオーロラ鑑賞、昼間はすばらしい紅葉を眺めたり、山を歩いたり、ラフティングで川下りをしたり、冬よりも多種類のアクティビティを楽しむことができる。秋にオーロラ鑑賞に出かけたのはこのような理由からだった。

 9月初めに日本を襲った台風が温帯性低気圧となってアラスカの上空に雨雲をもたらした。この影響でフェアバンクス近郊はしばらくは鉛色をした厚い雲に覆われたが、その後は時々晴れ間がのぞくようになり、幸い3晩もオーロラを堪能できた。


 テレビ朝日・10チャンネル オーロラを放映

 私が滞在した翌週 テレビ朝日 がノーザンスカイロッジを借り切り、オーロラを撮影予定。10月の「旅サラダ」で放映されると。

 10月15日(土)8時の「旅サラダ」ですばらしいオーロラが放映された。


 オーロラ鑑賞日記

 場所 アラスカ・フェアバンクス 
     ノーザン・スカイ・ロッジ 滞在記はこちら

 9月6日

 前夜就寝時は雨。1:40妻からオーロラ出現の監視を引き継ぐ。窓から外を眺めると曇り空。オーロラはみられないのかなぁとの思いがよぎる。2:30 星が見えだした。 北北西の空の色が周辺と異なり、グリーンぽい。妻を起こし、とりあえず外に出る。

 北の空 北斗七星の輝く方向に薄く光が湧き上がってきた。

 2:40 先ほどよりも明るい。これはオーロラだ。グリーンの帯がゆっくりと東の方向に流れていく。カメラをかまえて写真撮影にはいる。

 オーロラの動きは存外に早い。形状と明るさはまちまちだ。大きさもさまざま。出現の場所も一定ではない。一度消えては、またすぐに新しいオーロラが現れる。見事なショウーが次々と天空に繰り広げられる。4:40部屋に戻る。

 9月7日

 就寝時はまた雨。1:50妻からオーロラ監視を引き継ぎ。3:00隣の部屋があわただしい。どうもオーロラが見えるようだ。妻を起こし表にでる。

 3:15 ロッジの真上の空の色が周辺とは違う。オーロラだ、いや雲だと見方がわかれる。念のために写真を1枚。帰国後現像したらうっすらとグリーンの帯が。オーロラだったのだなぁ。

 9月8日

 就寝時は曇り。23:50家内に星が見えると起こされる。ダウンジャケットを着ていれば寒くはないと外にでてオーロラを待機。

 1:00 オーロラが北北西の低い位置から出現した。放射状の光を天空に放ちながら、北東に動いていく。思いがけなく東の空からオーロラが大きく輝く。急いでカメラを向ける。2:30部屋に入る。

 9月9日

 昨日夕方から雲ひとつない快晴。すばらしい青空が広がっている。妻に監視を頼み先に就寝。

 1:40妻の声で起こされる。オーロラが見えると。直ちにロッジの外へ。すでに大きなオーロラが激しい動きを見せている。昨日までに見たオーロラとは桁違いの見事さだ。期待が高まる。

 北斗七星以外の星は見えない明るいオーロラが、スローモーション映像のようにゆっくりと動く。次第に正面のスクリーンを覆う。

 カーテン状の大きなオーロラがひらひらとゆらめきながら流れる。北の空に出現したオーロラは次第に天空を覆い、ついには頭上の真上に達した。華麗なダンスを鑑賞しているようだ。

 すばらしいオーロラをみることができて、いささか興奮状態だ。3:30室内に。延泊してよかったなぁと家内と会話。

 オーロラ鑑賞中の気象(フェアバンクス)

 最高気温16〜18℃ 最低気温4〜7℃ 湿度60%
 9月9日 日の出 6:54  日の入り 20:38
  但し暗くなるのは22時頃から5時ごろまで


撮影日 05年9月  6日 2:45〜4:30
           8日 1:00〜2:20
           9日 2:00〜3:20

撮影地 ノーザン・スカイ・ロッジ
      フェアバンクスの南西約30マイル
      アラスカ州道3号 
         マイルポスト 329.3マイル

撮影機材 カメラ  キャノン EOS−1N
     レンズ  シグマ  単焦点20mm F1.8
     フィルム プロビア400F
撮影条件 シャッタースピード 10秒または15秒
     絞り F2.0
     フィルム感度 ISO800(2倍増感)

追記 
 フィルム交換時は感度をISO800に再設定したが、AEB(段階露出)の再設定は忘れたので、1本目のフィルム以外は同じシャタースピードの写真が3枚写ってしまった。

 画面の中に樹木が入っているかどうか判然としなかったので、カメラを下に向けたときの写真が多くなってしまい、天空に伸びたオーロラが画像から外れたので、撮影としては失敗だった。

 北の空に出現したオーロラ写真の何枚かには、目で見たとおりに北斗七星がはっきりと写っていて、満足した。


アラスカの秋 レンタカー旅行 

おりおりの熟年生活(海外レンタカー旅行)