巡礼道・薬王山摩崖石刻  
               
                           
               
               

 町を一周する巡礼路を歩く。道の両側はオレンジ色の壁、ところどころに法輪や魚などが描かれている。

 グループの巡礼者たちはマニ車を回しながら通り過ぎる。

 先に進むと薬王山麓の摩崖石刻がある。14世紀の有力者たちが、葬式にタンカ(チベット仏教の仏画)を掲げられなかった貧しい人々のために彫らせた石刻群だ。 
     

 大小1000体を超える仏像が彫りこまれていて、マニ車を手にして歩く巡礼者の姿が引きも切らない。何名かはそれらの仏像に持参の水を供えている。ひと組の母子は大きなポリタンクから小さなペットボトルに水を移し、一体一体丁寧にお供えをしていた。

 巡礼者の依頼によりその場で、僧侶が読み上げたお祈りの言葉6文字 オンマニペメホンを彫ったマニ石が作られる。そのマニ石がマニ塚に積上げられ、長い年月の間に仏塔のように高くそびえ崩れそうになった。ひとりの僧侶が鉄骨で1995年から15年かけて補強しマニ塔にとなった。僧侶は完成翌2011年に死亡した。マニ塔の前で五体投地をする人も何名か。

 大きな壁面の前では何列もの人々が五体投地をしている。30〜40名はいただろうか。道を挟んで向いは仏像などを売る店が並んでいた。


撮影地 薬王山摩崖石刻 チベット
撮影日 2019.5.19

青海チベット鉄道とエベレスト眺望 ヒマラヤ山脈を越えて