アイスランド スカフタフェットル氷河  
               
                           
               
               

 ビジターセンターから整備された道を20数分ほど歩くと、到達するのはスカフタフェットル氷河。一度目は早朝に訪れ、誰もいない氷河を前に静かな時間が過ぎて行った。二度目は午後。遊覧飛行が出来るかどうか確認のためビジターセンター近くの飛行場に来たが、天候状態から無理と分かり、それなら氷河をまた見ようと、1日に2回訪れた次第。

 ビジターセンターからの整備されたトレイルを歩く。アイスランドでは珍しい緑の木々に囲まれた道から荒れ地に変わり、しばらく歩むと氷河が遠くに大きな姿を現した。スカフタフェットル氷河との標識があり、そこからほどなく氷河湖の前に到達。

 ごつごつした氷河の表面をグレーの灰が覆っていて、白とグレーが濃淡のある縞模様となっている。噴火した火山から降ってきた火山灰によるとのこと。いままで見てきた氷河ではなかった景色で、初めて眼にした光景だ。

 氷山の上はちいさな無数のこぶの塊が集まっているように見える。先端は巨大な崖のような壁だ。雲間から薄日が射し、氷河の上をかなりの速さで移動していく。光の当たり具合いによってはいぶし銀色にも見える。

 氷河は降り積もった雪が、それ自体の重みで押しつぶされてできた氷。本来は白い塊のはずの蒼黒い巨大な壁をしばらく眺めていたら、怪物の世界に迷い込んだ気分がしてくる。

 小さな氷河湖がある。薄いエメラルドブルー色の水面には数は少ないが小さな氷山が氷河から離れたあたりで浮かんでいる。仕入れていた知識では、この氷河に氷河湖があるとは知らなかった。温暖化が進むと、この小さな氷河湖もやがて大きくなり、パンフレットなどで紹介されるようになるのだろうか。

 余談だが、楽しみにしていた遊覧飛行のパイロットは誠に良心的だった。初日はスカフタフェットルに午後着いてすぐ訪れた。天気予報によると今日の午後は無理、2日目の午後は飛べそうだと。で上記の様に再訪。雲が低いので地上が殆ど見えないから飛ばない。3日目朝また訪れた。やはり雲が低くてだめですねと。飛んでだめでも仕方がないのだが、商売抜きの正直で良心的な態度には感心した。

撮影日 2016.6.12〜6.13
撮影地 アイスランド スカフタフェットル氷河