アイスランド フャットルサウルロン 氷河湖  
               
                           
               
               

 早朝 フィヤットルスアゥルロンの、この美しい景観を堪能しているのは、私たち夫婦ふたりだけの贅沢さ。あまりのすばらしさに感嘆し、声もでない。

 大きく盛り上がった塊や平坦な氷河など大きさは大小さまざま。尖がっていたり、丸みをおびたりと形の違いも面白い。生憎曇りで、雲が低く氷河の上にかぶさっている。だが時々氷河の姿を見ることは出来る。

 他方説明によると、天気が良い日はこの氷河の母、ヴァトナヨークトルと最高峰クヴァンナダールスニュークルが湖面に映し出されて見事なパノラマが出現するそうだ。しかし残念なことに1時間あまりの滞在中に、そのような絶景には出くわさなかった。

 氷河が時たま見えただけだったが、それでも充分に満足できる。ツアーはここには訪れないそうだから、このすてきな景色を見られた倖せを感じた。

 音のない静寂な時間が流れている。その静けさを切り裂くように、突然雷鳴のような大きな音が響いた。慌てて音のした方向に眼を向ける。波紋が広がっている。その中心に氷の大きな塊が。巨大な氷山の一部が崩れて水面に漂いはじめたのだ。氷河の先端部が崩れ落ちる光景には何度も出会っているが、氷山が崩れるのを見るのは初めてだ。

 カモの家族が氷山の間をすいすいと泳いでいる。少し進んでは進行方向を変えUターンする。同じ動作を何度も繰り返している。何をしているのだろう。

 雲が少し上に移動した。ぷかぷか浮かぶ氷山の先に氷河が見える。幅が広く遠くまで伸びている。その優美な姿と水面に浮かぶ氷山との組み合わせの美しさ。手が悴む冷たさも忘れ見入ってしまう。

 フィヤットルスアゥルロンはホーフの宿から1号線を27km走り左折、数百mで広い空地があったので車を止めた。そこから小高い丘を上ると氷河湖が見下ろせ、湖畔に下りる。徒歩約5〜6分ほどだった。車を置いた付近では土木工事用の重機があり、そのあたりを整備している様子だった。

撮影日 2016.6.13
撮影地 アイスランド フャットルサウルロン 

おりおりの熟年生活(アイスランド・レンタカー旅行)