パタゴニアの風景  
               
                           
               
               
                         
                           

 このたびの旅行でパタゴニアでは、大草原パンパの中を走り抜りぬけた。バスから見えた風景や下車して背筋を伸ばしながら見た景色のいくつかも興味をひくものだった。

 カラファテからエル・チャルテンに向かう途中の展望台、ロス・グラシアレス国立公園では最大のビエドマ氷河がビエドマ湖の対岸に白く流れ落ちていた。

 セロ・トーレ展望台へのハイキングでは南極ブナの森が一帯に広がっていて、緑の葉の印象が強くこころに残っている。その後行く先々で見え、またウシュアイアでは木の墓場と呼ばれている南極ブナの伐採跡では、伐採後100年経過しているにも関わらずまだ草しか生えていない状態に自然回復の困難さにこころが傷んだ。

 グアナコの群れにはしばしば出会った。バスがスピードを落として近づくだけでお尻を向けて遠ざかってしまう。徒歩の途中で見かけても、直ぐに走り出していた。

 アルゼンチンからチリ国境に近づき道路が未舗装に変わって直ぐ、それまで長く続いていた遠くにアンデス山脈 手前はパンパの風景が、手前は白い花畑になり、幾分退屈気味になっていた気分を慰めてくれた。

 アルゼンチン出国の手続きで出入国管理事務所に向かうため駐車場にバスを止めて降りたら、2〜30メートル先にグアナコが2匹。カメラを向けても逃げることなくこちらに顔を向けて写真を撮らせてくれた。

 長い脚とすらっとしたスタイルの良さ、ピンと立った耳、長い睫。愛らしい動物だ。

 プエルトナタレスからプンタアレナスへの道で ハタの木を見つけてバスストップ。パタゴニアの強風で幹が曲がってしまった南極ブナだ。旗のような木はその後もバスから散見。強風のすさまじさが伝わってくる。

 オトウエイ湾ではペンギンのコロニーに立ち寄った。時間帯の関係で巣に残っていて間近く接したペンギンは僅かだったが、愛らしい仕草と表情が面白い。

 観察舎からは海にたむろしている群れが遠望できたが、少し離れすぎていて、十分な観察はできなかった。

 プンタアレーナスで昼食。子羊の丸焼き。姿のまま焼いているものを想像していたが、実際は写真のような串焼きだった。遠目の強火でじっくりと焼き上げる。1頭を10名できれいに食べてしまった美味しさだった。

 昼食後プンタアレーナスの市内観光。アルマス広場ではアルパカのマフラーなど羊毛製品が屋台に沢山並んでいた。クルスの丘では家並みの向こうにマゼラン海峡が見えた。

 翌日マゼラン海峡をフェリーで横断。プンタ・デルガータ港から対岸バイア・アスールを入れてマゼラン海峡を撮影した。

 チリからアルゼンチンに再入国。ウシュアイアに向かう。途中ガリバルディ峠で写真ストップ。ファニャーノ湖とエスコンディド湖が見え、周りは南極ブナが美しかった。

 現在は舗装された道だが、少し前までは写真の未舗装の道で、4WDでなければ走行できなかったそうな。今は便利になって 今回のようなツアーが組めるようになりましたとの説明だ。

おりおりの熟年生活(パタゴニア・ウユニ塩湖旅行)