モニュメントバレー  
               
                           
               
               

 ハイウエイUS−163号はモニュメントバレーに向かい長く細くなる。遮るものがない地平線の彼方まで、赤い大地の中を一直線に伸びるこの道の両側は、西部劇映画で見た風景が広がっている。

 広大な砂漠の中にビュートと呼ばれる岩山とメサと呼ばれるテーブル状の巨大な岩がいくつも立ち並んでいるのだ。


 強い風のため舞い上がった砂塵で霞んでいた風景が、しばらくすると透き通るような青い空と白い雲、赤茶けた荒漠とした大地の美しい姿を現した。車を止めてしばし見入る。

 そこから数キロ、グールディングス・ロッジの部屋から夕暮れに染まっていく同じ風景をのんびりと眺める。次第に光が淡くなりやがて静かに闇の中に消えていった。

 夜、再び昼間の美しい風景の場所に出かける。モニュメントバレーと星空の撮影だ。満天の空にきらめく星々。目印になる星座を入れたいのだが、そうするとモニュメントバレーが入らない。

 やむなくモニュメントバレーに向けてカメラを構える。風が強い。三脚が揺れる。露出時間が長いのでカメラブレのない写真が撮れただろうか。

 早朝バレー内の谷に下りる。深い轍にハンドルがとられる。左手と右手の巨大なビュート。思わずカメラを構えてしまう。

 西部劇映画の世界が広がっている。雄大なパノラマの魅力的な風景。道の向こうには日陰のビュートがシルエットに浮かぶ。草を食む白い馬。優しい時間が流れる。

 アーチスト・ポイントから眺める風景はビューとの位置が絶妙だ。赤さびたビュートと青空を眺めていると、青春時代に見た西部劇の世界に引きずり込まれていく。

 モニュメントバレーは同行者の要望で3度訪れたが、これで見納めだろう。バレー・ドライブを終わりビジターセンターの前からバレーを振り返り、今一度ゆっくりとこの景色を楽しんだ。

撮影日 2013.4.13〜4.14

南カリフォルニア・グランドサークル レンタカー旅行