ロ ラ イ マ 山  
               
                           
               
               

 何処までも続く山頂が平らなテーブル状の山・テプイ。ギアナ高地にはそのような2,000mを超えるテプイが100以上も存在する。テプイはどれも鋭く切り立った断崖絶壁で隔離され、超然と空中に突き出ている。

 そのテプイの最高峰がロライマ山 標高2,810m。切り立った断崖の高さは1,000m。ロライマ山と隣のクケナン山は原住民の信仰に由来して、テプイではなく山と呼ばれ、神の住むところといわれている。

 ロライマとは雄大なを意味する。形の良い山で空中に浮かんだ姿は空母に見える。山頂の面積は、テプイ最大のアウヤン・テプイ(エンジェルフォールのテプイ)の半分以下。添乗員の説明が詳しく続いた。

 ヘリコプターでの遊覧飛行でロライマ山に向かった。幾つもテプイがある筈だが、白い雲の上に見えたのは最高峰のロライマ山だけだ。端正な山容が美しい。大海に浮かぶ彼方の孤島のように見える。

 断崖絶壁から幾く筋もの細い滝が流れている。断崖の先には別のテプイの断崖が切り立っている。幾重にも重なって見える。初めて見る光景に興奮を隠せない。

 山頂部を旋回する。驚くほど変化にとんだ風景が広がっている。水だまりと小さな植物が見える。黒く巨大な石像のような岩が遥か遠くまで連なっている。

 山頂に降り立つ。水たまりがいくつもある。黒い岩の地面が幾層にも重なっている。水たまりからは川の流れがある。その周りには、赤くきれいな花が咲いている。

 山頂の向こうには断崖の中腹を白い雲に取り巻かれた数個のテプイが重なって見える。僅か10分ほどの山頂滞在と合計30分ほどの山頂周遊だったが、多いに愉しめた遊覧飛行だった。

おりおりの熟年生活(ブラジル ベネズエラ旅行)