オーストラリア 11月中旬の星空

 ケアンズのホテルに到着して部屋割りと鍵の受け取りのためにロビーの椅子座る。今回のツアーの別のグループの方とも一緒になった。話をしているうちに星に関心のある方が2名。日本では見られない南半球の星空を観察し、写真に撮りたいねとの話になった。

 レンタカーは16日までは満車となっていて借り入れできない。バスやタクシーも満車だそうだ。しかし今は晴れているから今夜出かけたいね。タクシーの空車があれば出かけないかと話はまとまった。

 19時から4時間、片道1時間の郊外へ行き、2時間の撮影、ホテル帰着は23時で交渉しようとなり添乗員に相談。ホテルのフロントから問い合わせてもらいOKとなった。


 行先はタクシーまかせ。最初に連れていかれたのはケアンズの夜景がきれいな高台。風景はすてきだが私たちの希望とは違う。片言の会話で困難な意思の疎通をはかる。暗く黒い空、灯りがなく、星だけがはっきりと見える高台と伝える。運転手はこの車ではお腹を擦るから行かれないとのそぶりだ。

 理解してくれたかどうか不明だが、とりあえず走りだした。ガソリンはまだ満タンに近いがガソリンスタンドへ。給油をするでもなく店内に入りしばらくして車に戻ってきた。再び郊外に向かってスタート。私たち希望の場所について訊ねてきたのではなかろうかと思う。

 道路に沿って空地があり障害物はなく展望がきく場所を通る。ここで撮影しよう、車の通行も少ないようだ。道路よりも2mほど高い場所がある。安全面のこともあり3名ともその場所で撮影することにした。目が暗闇になれてくると、道路の両脇は牧場のようだった。
 車を降りてすぐ目に入ったのは 車の進行方向に見える 天の川だった。大きな1本の木の上を横に流れている。時間の関係で一番星が密集しているところではなく残念。

 彼方に見える緑色の光は、天の川を引き立てるわき役になっていて、邪魔にはならなかった。
 
   天の川撮影後90度左に向く。雲のようだが赤く染まった雲とは明らかに色の異なるものが2つある。南半球でしか見ることのできない大マゼラン星雲と小マゼラン星雲だ。
 
 写真中央の上部と左手の中央の青く薄い色の小さな雲のようなものだ。地球のある銀河から一番近い銀河との話を聞いた。
 後を振り向く。一段と明るく輝く星が地上近くに見える。金星だろう。昴も見えている。

 うす雲はかかっているが星々ははっきりと観察できる。空気が澄んでいるからだろう。

 美しい星空を眺める至福の時間だ。
 
 
  頭上を見上げる。まさに満天の星空。見渡す限り黒いスクリーンに色とりどりの星がきらめいている。

 時間の経過を忘れて星の観察と撮影に没頭していた。迎えのタクシーが来た。十分に愉しんだと満足して撮影機材を片づけにかかった。
 
おりおりの熟年生活(オーストラリア 皆既日食)