2012年 オーストラリア皆既日食

 2012年11月14日 オーストラリアでみられる皆既日食観察に出かけた。参加したのは国際航空旅行サービス株式会社のツアーで3泊5日だった。

 観察場所はケアンズから1時間ほど内陸部に入った標高400mの牧場アマル―・アポリジニの丘。起伏の多い東に向かってなだらかに下っている草地だ。晴天率も高く付近ではアメリカNASAのチームも観測地と選んだいるとのことだ。

 当日アマルーにはは国際旅行サービス社の参加者が350、その他を合わせて合計1250名もの人で埋まった。日食観測のためオーストラリアを訪れたのは日本人が4000名、世界からは6万人との話を聞いた。

 現地へ向かう途中の道は非常に狭くバスはやっと通れる状態。それに多くの人をケアンズのホテルから運ぶのでバスはピストン輸送。道は渋滞が予想されるため深夜23時55分宿泊しているホテルから出発した。

 1時05分現地着。見るだけの人は椅子席に。写真を撮る人は椅子のない場所で三脚を立ててくださいと案内がある。今日の天気予報はシャワー。数分ほどの雨が数回降る。空を見上げるが星の見えるのは頭上だけ。それも雲に覆われることが多い。東の空は黒い雲が停滞したままだ。

 5時30分 明るくはなってきたが太陽は見えず。時間だけが経過していく。日食は始っているはずだが、天候は回復しない。雨が降り準備した機材に大わらわで雨避けをかける。皆残念そうに佇んでいる。
間もなく皆既の時間だ。これではだめだとの声。いや中国鵜鎮の奇跡があるからまだあきらめてはだめだとも話している。

突然歓声があがる。皆既直前の太陽の一部が見えた。一斉にカメラのシャッター音が響く。欠けた部分は黒い雲に隠れているが、これなら第2接触時のダイヤモンドリンクが見えるかも
 

 雲の動きが速い。太陽の見えている部分が白い雲にかかる。 あ! ダイヤモンドリングだ。白い雲の部分が白い円になって光っている。 あわててシャッターを切る。一瞬の後には白い円は消えてなくなった。
     

 雲の動きは早い。依然太陽は一部しか見えない。しかし赤い彩層が太陽の周りで弧を描き、赤く引き出したプロミネンスが見える。素晴らしい光景に感動の声が沸き起こっている。
     

 太陽の全貌が見えた。歓声はいっそう高まる。太陽は薄い雲に覆われているが、赤い彩層が太陽の周りを彩っている様子やコロナの広がりははっきりと見える。白い雲が近づきコロナの状態ははっきりとしなくなってきた。

 

   

 黒い雲が急速に太陽を右下から隠していく。おと僅かで第3接触。再びダイヤモンドリンクが見えると期待したが、その直前に太陽は黒雲に完全に覆われてしまった。

 本当に皆既日食の直前から僅か2分ほどだったが、厚い雲の間から太陽が顔を見せたのは奇跡のようだ。その後15分して再び欠けた太陽が現れた。しかししばし興奮した後だけにUDレンズを装着して撮影する気にはならず、撮影は終了した。

 今回レンズは200−500mmを持参した。カメラに装着して準備万端整えたが雨が数回降り、太陽の顔を見るまで雨避けをかけていた。太陽が見えるとともに雨避けを除けレリーズを押したのだが、慌てていたのでレンズは200mmのまま。気づいたのは太陽が雲に隠れた後からだった。

 ここに載せた写真は、大きくトリミングしている。ピントも甘いが、皆既日食の経過は判る記録とはなった。

おりおりの熟年生活(オーストラリア・皆既日食)