中 国 旅 行

旅行期間  09.7.20〜7.24
主な訪問地
 蘇州、杭州、桐郷(皆既日蝕観測)、紹興、上海


7月22日(水)  曇り後豪雨 その後曇り時々雨

桐 郷 (新世紀公園) 皆既日食観察

 5:15 起床 空はどんよりとした曇り、天気予報も雨のマークがついている。6:15 朝食、大勢の日本人でごったかえしている。同席したひとの話では小学校で観察するのはバス13台と聞いていると。

 7:30 激しい豪雨に。これだけの雨だと日蝕が見えずともあきらめがつく。とりあえず出発しようとなり 7:45 バスに乗り込む。

 添乗員から日蝕を諦めて早めに観光をしましょう。集合時間は9時30分と。皆既日食そのものの時間帯だ。

 参加者のひとりから、もし日蝕が見えたら集合時間は当初の10時30分でよろしいかと質問。もちろんOK。ここ桐郷を今年訪れる日本からのツアーは、このメンバーがおそらく初めてでしょう。

 桐郷は日本から近いうえ、上海近郊に比べてスモッグが少なく、皆既時間も6分ほどと長いので、観測に最適な場所だと選んだのですとの説明があった。



 8:00 日蝕観察地 桐 郷 新世紀公園 に着く。公安警察の車やオートバイが数え切れないほど駐車している。

 公園に入ろうとしたら私服の公安警察官に誰何される。日本人と判り通してくれる。中には大勢の制服の公安警察官がいて、雨の中を公園に散っていった。


 日蝕時に人が集まり暴動発生の懸念ありとして警戒しているそうだが、警備はそれほどぴりぴりとはしていない。ヘルメットは被っているが、警棒などは持ってはいない。 あちこちで雨宿りをし、のんびりとしている。そうはいっても池の上の2つのボートはそれぞれ2名の制服の公安警察官が乗っており、ゆっくりと巡回していた。




 折角ここまできたのだから、せめて想い出写真を撮ろうと公園内をぶらつく。物陰で雨宿りをしている人々もいるが、大半の人は外で立ったままだ。

 幾人もの人が傘をさして空を見上げている。 塔の中に入り待機している人たちは窓から顔をのぞかせている。


 しばらく時間が経過した。公安警察官の皆さんも暴動発生の恐れがないと見たのか やおら15×20cmほどの黒いプラスチックのようなものを出して、空にかざし始めた。

 責任者も手持ち無沙汰な様子で椅子に座ったが、さすがにあちこちへの目配りは怠ってはいない。

 雨はますます激しくなる。もう部分日蝕は始まっているはずだ。皆この雨の中で佇んでいる。所在無げだが帰る気配は見えない。まだ諦めきれないのだろう。


 9:10 遠くの街灯に明かりがともった。幾分暗くなってきたが、日蝕のためか雨のためかは判然としない。

 9:30 急激に暗くなる。暗闇で人の判別もつかない。皆既日食の時間帯になったのだろう。子供の頃見た部分日蝕では経験しなかった闇だ。

 暗闇になったからか直ぐ塔にライトがともった。地面にオレンジ色のライトが薄く反映する。その中で人々は傘をさしたまま空を見上げ続けている。

 雨は小降りになっているが失望の声が聞えてくる。


 突然大きな歓声があがる。空を見上げると薄雲を通して太陽が見えた。

 皆既日食が終わった直後の太陽だ。日蝕撮影の準備をしていなかった。慌てて屋根のあるところに戻り望遠レンズを装着。そのままま大胆にも手持ちで数枚写した。

 観てみたいと期待したのは皆既日食時しか観ることが出来ないダイヤモンドリンクとコロナだ。後2〜3分早ければあるいはダイヤモンドリンクだけでも見られたかも知れないと残念な思いがよぎった。

 望遠レンズで数枚撮影した後は、再び標準レンズに戻し太陽の欠け具合を数枚写した。雲を通しているから太陽を見ても撮影のためのUDフィルターや日蝕メガネは不要だった。

 誰かが万一にかけて集合時間延長を提案してくれたから見られた日蝕だ。他のグループは観光に行こうと早々に立ち去ったから日蝕を見られただろうか。

 10:35 感動をいっぱい積んでバスは移動を開始した。





おりおりの熟年生活(中国旅行)