コロンビア大氷河 クルーズ

 プリンス・ウィリアム湾 Prince William Sound に流れ込む氷河の中で最大の コロンビア大氷河 Columbia Glacier 観光の遊覧船は プリンス・ウィリアム湾 東端の小さな街 バルディーズ Valdez から出ている。

 出船直後はアラスカ縦断石油パイプラインの終点が近くに見える。石油タンクや石油積み出し施設が展開している。

 船上から見える透明で青い海に、青空と白い雲が映っている。しばらくは動物達の姿に歓声が沸いていたが、コロンビア氷河が近付いてくると船内は騒がしくなった。

 寒いので船内にいた多くの人々が、狭い船首に出てきて氷河を指差し、カメラを向けてシャッターを切っている。

 巨大な氷河の先端が海に崩れ落ちて、大きな流氷が漂っている。いくつかの流氷は、純白の中に幻想的なグレシャーブルーのすてきな色彩を放つ。

 
背後の山から流れ海に落ちている氷河の、力強い景色がくっきりと見える。白と黒の濃淡と陰影だけで構成された風景だが、見つめていると豊かな表情を持っている。

 僅かに太陽の光が射しこんだ。氷河の先端の色が鮮やかな青色にひかる。その神秘的な色合いは魅力的で引き込まれてしまう。先ほどまでは主役だった手前に漂う流氷、今は表情豊かにすてきな脇役を演じて、このすばらしい絶景を盛り立てている。

 今見ている海に届いた氷河は何万年も前に降った雪だろう。どれほどの年月を経て雪から氷河になるのだろうか。自然が創り出す巨大な作品は、人々を感動させそして圧倒している。

 人類登場以前は白かったであろう氷河の上が黒く汚れている。温暖化と汚れで地球の環境が悪化している現状を、氷河が悲しそうな表情で訴えているようだ。


撮影地 コロンビア大氷河 アラスカ州 プリンス・ウイリアム湾
    Columbia Glacier  Prince William Sound
撮影日 07.9.5
 

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