ユーコン準州で撮影のオーロラ

 赤いオーロラに会いたいとの会話から始まった今回の旅行計画、期待以上のすてきなオーロラをカナダ・ユーコン準州の Klondike River JCT で観察できた。

 僅かな雲間からかすかに見える薄いオーロラ、動きも少ない。暗闇が幾分明るくなってきた。雲が次第にきれて隙間が広がってきている。十六夜の月もむら雲の中から姿を見せた。

 オーロラが大きく明るくなってきた。北の空全体がステージだ。このオーロラが今日の主役だろうか。脇役のオーロラは南の空に低く顔を出し煌々と照るお月様のところに行き、今夜の主役は オーロラ が演じると伝えたようだ。

 夜空は新しい光で支配されてきた。大きなオーロラが静かに音もなく優美な姿を、ステージ全てを使い舞っている。その動きにあわせて慌ただしく頭を前後左右に振り向ける。小さく密やかに光を放っている北斗七星が彩を添える。。

 突然激しい動きに変わった。天空の舞台でダイナミックなミュージカルが演じられている。幅広なカーテン状のオーロラが波打ち始めた。初めは漣のように、次の瞬間その流れはすばやく、猛烈な風で煽られているように姿を変える。その千変万化の速さは全く想像できない驚きだった。

 赤いオーロラが出現し、その姿を変化させていく。天からのすてきな贈り物が届けられた。一部分が赤いだけだが、はっきりと確認できて、興奮と感動がいっそう高まる。

 主役や脇役が演じた神秘的なオーロラ・ショーはそろそろ終演だ。でも胸の高鳴りはいつまでも続く。

 今回の旅の最大の目的が、このようにすばらしく幻想的な演目とは今日はじめて知った。妻とふたり 想い出という名の宝石箱の中に大切に仕舞い込んだ。



 オーロラは見事なものだったが、撮影は大失敗だった。掲載の写真はキャノンのデジカメに付属するソフト DPP で明るく補正したもので、補正後はノイズが多くなっています。

 北の空半分を活発に動き回るオーロラ。撮影を始めて1時間後には、南の空低くに顔をだした満月を訪れ、挨拶をしていた。それからはオーロラの動きがさらに早くアクティブになっていった。

 カーテンが風にゆられているように見えたり、放射状の光が四方に飛び散ったり。その姿は千変万化、かつ非常にすばやい動き、飽きずに眺めていた。2時間ほど経過して赤いオーロラが見えたときは興奮して「赤いオーロラだ」との叫び声が誰からともなくあがっていた。

 撮影の機材と撮影条件
  カメラ キャノン EOS 5D 
  レンズ シグマ 20mmF1.8 (F2.0で撮影)
  ISO感度 1,250
  シャッター速度 0.6〜1.5秒
  距 離 無限大

 カメラの画像情報によると、撮影開始ののシャッターが8月31日23時53分 最後は9月1日2時29分、2時間30分のすばらしいショーはまだ続いているが、もう十分に鑑賞した。薄いオーロラはまだ展開しているが、明日のドライブを考慮して、オーロラ観察は引き上げることにした。

 撮影に大失敗したのはカメラの液晶画面に表示される画像で見ると十分に写っていると思えたからだ。書物などでは大きなオーロラなら
ISO 800 絞りF2.0でシャッタースピードは4〜5秒と書かれていたのは知ってはいたのだが。液晶画面の明るさに惑わされてしまったのだ。

 撮影した場所はクロンダイクHwyのクロンダイク・リバーJCTで、ロッジから200mほどの橋のたもとです。周辺の明かりはロッジだけ、付近は川で周辺が開けていて全天を見回せるオーロラ観測にはもってこいの場所でした。

撮影地 クロンダイク・リバーJCT カナダ・ユーコン準州
    Klondike River JCT
撮影日 07.8.31〜9.1の深夜

ユーコン・アラスカ レンタカー旅行