グレーシャー国立公園 レンタカー旅行記


 00.9.14(木曜)
 (シアトル〜カリスペル〜アプガー〜メニーグレーシャー)

  天候 シアトル 晴れ  メニーグレイシャー 晴れ

 5:30起床、洗顔を済ませてすぐに出発、デニーパークで日の出を見る。その後シアトル空港脇の航空機の発着が見える公園に行き朝食。送ってくれた娘夫婦と空港で別れる。飛行機は10:00出発予定が40分遅れて10:40に出発、12:45 カリスペル空港に到着。レンタカー借り入れ手続きを済ませ、車の操作を確認。

 13:45 グレイシャー国立公園 Glacier National Park に向かってスタート。通行量の僅かなカリスペル市街地を通り抜け、ウエストグレイシャーに14:20に着く。入園料10ドルを払い、グレイシャー国立公園に入る。

 アプガーで食料を購入。静かな佇まいの レイクマクドナルド Lake McDonald の湖畔に座り景色にみとれながら昼食。山と湖の組み合わせが絶妙に美しい。どこから現れたのか一人の女性が淡い青の湖に入り、抜き手を切り、沖に向かって泳ぎだした。水に手をつけてみるとかなり冷たい。普通の日本人ではまず泳ぐのは無理だろう。しばらく後傍を通りがかったので話かけたが、やはり寒いとのことだった。ここは帰路にゆっくりと楽しむことにして先を急ぐ。15:20出発、左手にレイクマクドナルドが見え隠れしながら、しばらく続く。

 公園を縦断する ゴーイング・トウ・ザ・サン・ロード Going To The Sun Road に入る。険しく、狭い曲がりくねった登りが続く。次第に山裾が広がりる雄大な景色になるが、峠道はくねくねと狭く運転に注意を払わざるをえないので、しばらくは前方注視。大陸分水嶺の ローガンパス Logan Pass では道路脇に腰をかけて一服、はるか遠くの山並みまで抜群の眺望、絶景に驚く。コーヒーが実に上手い。

 峠を下りはじめた直後、右手の木々の間から美しい景色が一瞬見える。あわてて車を止めて歩いて引き返した。 シュリンキング グレイシャー Shrinking Glaciers の、淡い光に照らされた神々しい姿を見ることができた。しばらくするとセントメリーレイクがみえる。湖面に浮かぶ小島と夕陽できらきらと反射している湖面が美しい。

 ビジターセンターを通過して一旦一般国道U−89に出て14km程走り、ボブから再び国立公園に入り、メニーグレイシャー・ホテルを目指す。18:30ホテルに到着、
 部屋のカーテンを開けると、月が山にかかって沈む光景が目に入ってきた。直ちに湖畔に飛び出し約1時間、静謐な時を楽しんだ。

 19:50 メインダイニングでピアノの生演奏を聴きながら夕食、実家が大阪堺市で東京からサンノゼに留学中のG.Tさんの隣の席に案内された。今回の旅行中シアトル以外で出会ったただ一人の日本人となった。食後あかあかと燃える暖炉の前でコーヒーを飲みながら団欒に時を過ごした。

 本日の走行距離 96.5マイル


  00.9.15(金曜) (メニーグレイシャー 〜 ウォータートン)

  天候 メニーグレイシャー 晴れ  ウオータートン 曇り一時小雨

 5:30起床、直ちに 「メニーグレーシャー・ホテル」 前の スイフトカレント湖畔 に出て、日の出を待つ。満月の月が冴えわたり、山が青白い。月光が湖面にひかる。波はなくおだやかな朝だ。

 山頂に陽光がさしてきた。赤く焼けた山肌が尖塔状の山頂から、次第に湖に降りてきて、時時刻刻と変化していく。幻想的でムードあふれる光景に魅せられる。妻と二人だけの世界だ。太陽が昇り朝の風景になってから、数名の人がベランダにでてながめはじめた。8:00朝食、今日も朝から幸先がよい。

 9:45 ホテルを出る、10:05スイフトカレント・インの駐車場に車を留める。人気のある グリンネル氷河へのトレイル を歩く。高く尖った山と小川のせせらぎ、風にそよぐ木の葉、すがすがしく澄んだ空気、気分がここちよい。

 11:15 スイフトカレントインを出発、途中何ヵ所かで車を止め、雄大な、優美な風景を満喫する。風が凪ぎ雪の残る山が湖に映る。ちぎれちぎれの白雲が空いっぱいに広がって流れていく。背の高い草が風にさびく。こんな広がりかたの雲は日本とは違って見える。背の高い草が風になびく。12:15風景が一変して広大な荒野の中にポツンと、ガソリンスタンドと小さなパブしかないバブ(Babb)の、パブでスープとパンの昼食。

 アメリカとカナダを結ぶ一般国道 チーフ・マウンテン・インタナショナル・ハイウエー Chief Mountain International Hwy を走り、アメリカ(モンタナ州)とカナダ(アルバータ州)との 国境 Chief Mountain Customs に着く。若く美しい女性が現れ、アメリカに再入国するかどうかをきかれただけで、OK。簡単にカナダに入国。制限速度表示がマイルからKmになる。

 タワーのような形状の チーフマウンテン を遠く、近くながめながら平原を登る。鮮やかな黄の紅葉の景色、山火事で樹木がなくなった地帯の草もみじなどを楽しむ。

 道は急な下り坂に入り、ウオータートン国立公園 Waterton Lake National Park 入口に到着。入園料8.0カナダドルを10米ドルで払う、お釣りは6.50カナダドルだった。15:30モーテルに荷物を降ろす。

 16:10 キャメロン湖 に向かい、16:30到着。静かな湖に突き出た朽ちかけた桟橋で、ひとりの若者が膝をくみ思索に耽っていた。アカミタ湖までは森林の中を木道の上を歩く。すこし離れた湿原でへら鹿の親子が草を食んでいるところに出会う。19:00夕食、その後小さいが整った町並みのウオータートンヴィレッジを散策する。
 本日の走行距離 73.5マイル (累計 170.0マイル)


  00.9.16(土曜) (ウオータートン〜レイクマクドナルド)

  天候 晴れ

 5:30起床、 ウォータートン湖 を高台から見下ろす プリンスオブウエールズホテル の前から日の出の風景を眺める。山々と湖の美しさに引き込まれてしまう。右の岩に白い満月がかかりコロラドの月のように見える。カナダのカルガリーからきたツアーの日本人が4〜5名ホテルから出てきて、歓声を上げて見入っていた。7:50ホテルに入り、引き続きこの素晴らしい景色を見ながら朝食。9:30モーテルをチェックアウト。

 10:25 レッドロック に着く。狭く細長い渓谷の岩が赤く続く。あたりを散策し10:50に出発。チーフマウンテンと紅葉を愛でながら12:15アメリカ国境に、ゲートに腰掛けた男性にパスポートを出すも、中を改めずに、OK。再び一般国道を疾走し、グレーシャー国立公園入り口に戻る。グレイシャーピーク13:30到着、昼食とする。

 真っ盛りの紅葉と山頂が平らな フッラトマウンテン、 逆光にひかる セントメリーレイク
 St. Mary Lake
、情緒豊かな小川などを写真におさめて、14:20ローガンパス駐車場に入る。

 ローガンパス 駐車場横の階段をのぼりインフォメーションへ、インフォメーションの前の広い草原の先に マウント・レイノルズ や クレメント山 が正面に見える。トレッキングコースは板がひいてあり歩き易い。トレッキングルートを歩く。ここはお奨めのコースと聞いてきたが、さすがに何組かのグループに出会う。 遠くに見える山々、はるか下に見える広大な眺め。まことにすばらしい。レイクマクドナルドを右手に、アプガーに17:40着き、モーテルにチェックイン。部屋から湖畔まで20m程か。

 18:00レストランで「ます」を注文するも、ない。営業は明日までで食材を仕入れていないそうだ。リブステーキがあるといわれてオーダーする。そう言えば、車をとめ、水を購入したスイフトカレントインも明日までといっていたし、ローガンパスの先にあったモーテルは既に営業を終了していた。

 食後22:40まで部屋のベランダで椅子に腰掛けて暮れなずむ景色をあかず見ていた。いくつかの部屋のベランダでも同じような光景だった。

 本日の走行距離 131.9マイル (累計 301.9マイル)


  00.9.17(日曜) (レイクマクドナルド〜ボーマン湖〜カリスペル〜シアトル)

  天候  晴れ 

 6:00起床、今日でグレーシャー国立公園とお別れだ。モーテルの部屋の前の レイクマクドナルド Lake McDonald 湖岸に出て、朝の風景を見る。遠くの山々が次第に赤く染まる。白い雲がピンク色になっていく。時間の経過を忘れてしまう。いつみても、いい景色だ。

 8:45チェックアウト、9:30 レイクマクドナルドロッジ に着き、朝食。眺めはアプガーからのほうが素敵だった。食後送迎用の赤い車の横に妻とふたりで立ち、記念写真を撮ってもらう。再びアプガーに戻り、インフォメーションでボーマン湖への道を教わる。

 11:20アプガー発、途中山火事後の土地に、焼けて掘りおこされた老木の根の横で、たくさんの若木が育ちはじめ、けなげに紅葉している林をとおったり、ダート道で1台がやっとのところで対向車がきてバックしたりして、12:30ボーマン湖に着く。

 ボーマン湖 は人の手がまったくはいっていない自然そのままの美しい風景が広がっている。湖畔で楽しげに語らっているふたりが、風景に溶け込んでいる。野暮とは思ったがあまりにもすてきな光景だったので、声をかけすぐ近くから写真を撮らせてもらった。ここでは水と戯れる父子ふたりと私達と合計6名だけの静かな世界だった。

 14:00 ビッグクリーク で軽食。ウエストグレイシャーをとおり、15:20カリスペル空港に到着、レンタカーを返却。空港で再びG.Tさんに会う、記念写真を写し、コーヒーを飲みながらグレイシャーの旅を語らった。16:55カリスペル発(25分遅れ)、スチュワーデスの機内案内が歌であり、乗客から大きな拍手が起こる。仕事がら何百回も飛行機に乗ったがこのような経験ははじめてだ。17:10シアトル空港到着。娘の出迎えを受ける。

 本日の走行距離 109.9マイル (累計 411.8マイル)

おりおりの熟年生活(アメリカ北西部レンタカー旅行)