白神峠 タカの渡りとアサギマダラ  
               
                           
               
               

 9月17日早朝千葉を発ち長野県松本市白樺峠に向かう。10時峠の駐車場に車を止め、白樺林の中の急坂道を上る。右手に乗鞍岳を見て 10時30分 たか見の広場に到着。

 たか見の広場は、2000年頃から信州ワシタカ類渡り調査研究グループが整備し、地元の建設業者がベンチを設置。何百人もの人が観察できるようになっている。

 広場は既に大勢の人。大砲のように巨大なレンズ+カメラを装着した三脚が林立している。

 私もカメラに500mmのレンズを装着して、三脚に固定。何人もの人が望遠鏡や双眼鏡で前方を凝視している。11時の方向に タカとの声。ほどなく近くにタカが飛んできた。鳥の撮影は不慣れで、中々ファインダーでとらえることができない。

 無理は承知だが、カメラを三脚からはずし手持ちでタカを追うことに変更。ファインダーの中にタカをとらえたが、ピントを合わせるのは至難の業。とりあえずシャッターを押した。

 ピントはずれているが、羽は美しく、また頭がはっきりと写ったものもあるので何枚も撮った。しかし結局ピントの合った写真はなく、これから何回か通って上達を期待するしかないと判った次第。

 タカはそこそこ飛んでくるが、上昇気流には、はるか前方で乗っているようで、ここ白神峠では天空高く飛び去っていく。信州ワシタカ類渡り調査研究グループのNさんに訊くと、このような上空を飛ぶことはめったにないとのことだった。

 この日はアサギマダラがマツムシソウに止まったり、頭上をヒラヒラと飛んで南に渡って行く。その美しさに惹かれてカメラを向けた。

 18日は全くの不調、偶にタカが飛んでくるだけ。のんびりと過ごした1日だった。

 19日午前中は2〜3羽タカを見かけただけ。野鳥の会のメンバーがグループできていたが、こんなに飛んでこないのは初めてだと諦め顔。
ひとりは予定があるので帰り支度をしようかなとつぶやいている。

 そのとき遠くで2〜3羽のタカが山の上にでてきた。見る見るうちに30数羽のタカが現れ、旋回しながら青空に向かって登って行く。続いて新しいグループのタカ。タカ柱が数回できる。観察している人々は興奮して望遠鏡を覗き、カメラのシャッターを押している。

 上空に達した群れは、南への飛翔を開始して白樺峠を囲む樹林帯の上を通過していく。昼過ぎ急に気温が上がったので上昇気流が発生して、タカが動き出したのだろうとのことだった。

 一度見ると病み付きになる光景だった。しかしこの感動を動きのない写真で表現するのは無理。ムービーが必要だと思う。今月は山小屋に行く予定。そこから白樺峠までは1時間30分程度。また訪れようと思っている。

 信州ワシタカ類渡り調査研究グループの2014速報によると、19日は931羽、20日は2491羽が白樺峠を通過したそうな。また過去最高は7500羽とのことだ。

 19日に観察した光景よりも、さらにすてきなタカ柱を見たいものだ

撮影日 2014.9.17&9.19
撮影地 長野県松本市 白樺峠

おりおりの熟年生活(お茶の時間)