樹 氷 @ 蔵 王  
               
                           
               
               

 2月三連休の新聞を広げる。蔵王の樹氷が例年の1.5倍の大きさに育っているとの記事。早速手帳を取り出し家内と調整。10日程先ならふたりで行けると、ロープウェイ乗り場に徒歩5分の宿を予約。

 今冬は厳しい寒さが続いていたのだが、2月中旬になると3月並の気温の毎日。蔵王温泉の気温も朝は氷点下だが、日中は連日4〜5℃。樹氷への影響を懸念しながら当日となった。

 宿に着き窓から見上げるときれいな樹氷原が開けている。話を聞くと昨年は雨が降ってだめになったが、今年は近年にないすばらしさ。樹氷のある山頂付近は氷点下の毎日でしたから、まだまだすてきな樹氷が楽しめますよ。それに温かくこんな晴天はめったにありませんと。

 バス終点蔵王温泉の観光案内所でもらったパンフレットでは、蔵王の1〜2月は快晴の日が少なく、平均風速10〜15m/s 平均気温ー10〜ー15℃の吹雪の世界と記載されていたから、今日のような温かく風もない日は珍しいようだ。

 朝一番の蔵王ロープウェイに乗り、山麓線から山頂線に。乗り継ぎの途中山頂方向を見上げると、美しい樹氷原が目の前に展開。背後の空の青さが樹氷の白さをいっそうきわだたせていた。

 山頂駅に到着。直ちに樹氷の林に踏み込む。太陽はまだ昇りきっていないので、樹氷の上に眩しく照りつける。しばらく歩いたが写真でよく見る海老の尻尾は見当たらない。ここ数日気温が高めだったことが影響しているのだろうか。

 巨大な樹氷の彼方遠くに雪を頂いた山脈がはっきりと。月山や鳥海山などだろうか。新聞によると山形市は5年ぶりの豪雪で、一月の平均気温はー0.6℃(2007〜11年は+0.22℃)と低かったそうだから山の雪も多いのだろう。

 白くまばゆい樹氷と深みのある青空、長く伸びる樹氷の影。僅か三色の世界だが、豊富な色彩以上に美しい。地獄山頂にしばらくとどまった後ゆっくりと下り始めた。

 樹氷原の中スキーを担いで歩む人。横切っていくグループ。ひとりでスキーを愉しんでいる人もいる。北アフリカ地域の現状に鑑み、ここに来ることができる充実した生活の幸せをかみしめた。

 夕暮れ時多くの人が展望台に集まってきた。美しく変貌していく風景を眺めるためだ。暮れなずむ空、赤く染まっていく樹氷。歓声を上げて記念写真を撮っている。平和で穏やかな至福の時間が経過していく。


資料と新聞による樹氷の話

 樹氷は1914年(大正3年)地元関係者の冬山探検で発見。1935年(昭和10年)映画「冬の蔵王」が欧米で4つの賞を受ける。ドイツ撮影隊が「蔵王ー白銀の乱舞」を製作し、「蔵王の樹氷」を世界に紹介。

 山形大学柳沢文孝教授の研究。樹氷の下限は約80年前は1400〜1450m、約40年前は1500m、近年は1550〜1600mと徐々に上昇。山形市の1月の平均気温の上昇からみて30〜40年後の下限は1700m。1700m以上には木がないので「樹氷は全てなくなる可能性」。今年は気温が低かったので、1500m低い地点でも樹氷が見られる。

撮影日 2011.2.21〜22
撮影地 山形県蔵王温泉

おりおりの熟年生活(海外レンタカー旅行)