木 曽 馬  
               
                           
               
               

 この年は寒波の訪れが遅く年末から年明けまで暖かった。テレビの気象情報によると1月の第1週の気温は3月並で、連日最高気温は5℃を越える状態だった。

 雪の上を走る木曽馬を期待して開田高原に8日に着いたが、放牧場を含め開田高原に積雪はなかった。9日明け方少しまとまった降雪があり高原が白くなったが、日中の気温上昇でかなり溶けてしまい期待した光景は見られないと諦めかけていた。

 10日は木曽地方に大雪警報が出て、一晩で20cm以上の雪が降り朝宿泊したペンションの庭にでると除雪が必要になっていた。木曽馬の里の放牧場も真っ白な処女雪で覆われ、木曽馬が広い放牧場に放たれたならとの期待を抱いて木曽馬の里に向った。

 4頭の馬が人に引かれて放牧場に向ってくる。放牧場に着いて人の手を離れるや否や純白の足跡の無い処女雪の上を一斉に駆け出した。ててがみが立ち、尾が後ろになびく。ひとけりごとに白い雪が舞い上がる。

 左手から来た馬たちは目の前を勢いよく走り去り右手の方向へ。しばらく白樺林の中で佇んでいたが、放牧場の先端に向けていくぶんゆっくりと向かっていった。

 放牧場の右手の先端に着いた木曽馬は勢いよく駆け出し、雪を高く舞い上げながら反対の先端まで一気に駆け抜けていった。

 その後はおやつの時間。深い雪の下に残された草を求めて、一心不乱に鼻先を雪の中に突っ込み、時々雪が乗った頭を持ち上げていた。

 ひとしきり遊んだからだろうか。突然4頭の馬は放牧場の出入り口に向って駆け出した。出口が閉じられていたので、雪に埋もれた水飲み場にきたが凍結していて飲めないようだった。写真に撮りそこなったが1頭の馬は雪の上に寝転んだりしたのだった。

撮影日 2017.1.11
撮影地 長野県木曽郡 開田高原 木曽馬の里 

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