開 田 高 原 に 春 が 来 た  
               
                           
               
               

 開田高原に春が来た。

 澄み渡った青空、残雪が白く輝く御嶽山、吹き抜ける爽やかな風、早朝のひんやりとした空気、花が咲き、新緑が目に眩しい。

 今年開田高原の春の訪れは例年に比べ10日ほど早い。高原の中心部ではゴールデンウィークに、コブシや桜が満開になり、カラマツや白樺の瑞々しい若葉が芽吹きだしていた。この時期フキノトウは天ぷらやフキミソを楽しむのだが、今年は僅かな量の天ぷらが辛うじて口に入っただけになった。

 初めに訪れた木曽馬の里のコブシ、早く咲いた後霜にやられて茶色く変色、花の数も少なく離れた場所から眺めるだけになった。管沢のコブシは大きく張り出した枝を白く美しい花々が着飾り、背後の御嶽山がそのきれいな姿をいっそう引き立てていた。

 西野の奥、八幡宮の先のコブシも見頃。朝焼けの御嶽山を入れて写そうと出かけてが、あいにく遅刻。翌日再挑戦と訪れたが、僅か1日のことで花の色は茶色に濁ってしまっていて、眺めただけで帰途についた。

 水芭蕉の自然に生息する南限・藤沢では、かわいらしい水芭蕉が点在
していた。その帰途、整備された畠の土手に咲くコブシを見つけた。針葉樹の青い森がコブシの花を浮かび上がらせ、近くの家の煙突から煙が立ち上っていた。

 斜光が射し込む時間の木曽馬の里。黄金色に輝く木が数本。僅かな時間に見られた幻想的な光景だった。

 管沢のしだれ桜。開田高原で咲く立派な桜の1本だ。赤く染まる御嶽山を背景に、すてきな時間が流れていた。

 標高の高い恩田原のさくらも満開。逆光を浴びて透き通った淡い色合いが印象的だった。

 白樺の新緑が光り輝くその先に満開の桜が咲いていた。その雰囲気に惹かれてカメラを向けた。

 晴天との予報だったので、朝焼けを撮ろうと向かった御嶽山。全天が黒い雲で覆われていた。時間の経過とともに雲は移動するかもとねばってみた。

 雲の一部がピンク色になるころ、山頂は僅かに見えないが山腹から雲は離れ、中腹に黄金色の帯が出現した。

 美しく変化に富む開田高原の春を満喫して過ごしたゴールデンウィークだった。

撮影日 2016.ゴールデンウィーク
撮影地 長野県木曽郡開田高原

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