開田高原・冬景色
             
                     
             
             

 この冬は暖冬が続いている。例年1月中旬の開田高原は雪に覆われた真っ白な風景だが、今年は標高の高い恩田原に入って10cmほどの積雪が見られるだけ。例年なら山小屋周辺の雪をのせてこんもりと盛り上がって見える熊笹が、晩秋の光景のように広がっている。

 例年なら朝の最低気温はマイナス10℃以下、時にはマイナス20℃を越えることもあるのだが、週間天気予報では朝の最低気温はマイナス10℃に届くかどうかだ。また空模様も曇りで晴れの日はない。厳冬期の開田高原風景は望めそうにはない。

 13日 5時ごろに目が覚めた。カーテンを開けたままの窓に目を向けると星がきらきらと輝いている。1週間の滞在中に、このような晴天は2度と期待できないと思い、直ぐに起き出した。

 1階に下りて寒暖計をみる。マイナス7℃ほど。霧氷は無理だなぁ。とりあえずは木曽馬の里に向かおうと車を走らせた。

 柳又に差しかかる。既に東の空は明るくなり始めているが、御嶽山はまだ暗闇に浮かんでいて、空には星が残っている。急いで三脚にカメラをのせて1枚シャッターを切った。

 木曽馬の里に着く頃から空に雲が漂い、東の雲が赤く染まる。しばらくすると雲がかかった御嶽山の山頂も赤く輝いた。辺りは僅かに霜がおりて薄っすらと白くなっていた。

 17日 気温はマイナス10℃ ひょっとして霧氷が出来るかも知れない。鵜類沢に陽射しが入る8時前ごろに行ってみようと山小屋をでた。

 降雪の後気温がマイナス15℃以下になると、真っ白な霧氷が山肌を覆う素敵な風景が出現するのだが、今朝はやや白いだけで見た目には霧氷とは思えない。しかし写真の撮り方では、それなりになるからと何枚か撮影した。

 所要があり18日に千葉に帰る予定だったが、17日深夜から暴風雪との警報が発令された。17日夕方急いで水処理を済ませ、慌ただしく山小屋を発った。18日以降は例年の開田高原の風景になったことだろう。

撮影日 2016.1.13 & 1.17
撮影地 長野県木曽郡木曽町 開田高原

おりおりの熟年生活(開田春秋)