信州木曽 御嶽山の紅葉  
               
                           
               
               

 開田高原恩田原から御嶽山を見上げると、山の斜面8合目付近が赤やオレンジ、黄など色とりどりに美しく着飾っているのが遠望できる。しかし開田高原からでは遠すぎる。山に登り間近で観る紅葉の美しさに勝るものはない。

 御嶽山の爆発で規制されていた入山制限も9月19日に一部緩和され、三の池方向は8合目の女人堂から1km先まで、山頂に向かっては9合目の石室山荘まで、それぞれ立ち入りが可能になっている。それなら御嶽山の東斜面一帯の山腹一面を錦絵のように彩る素晴らしい紅葉地帯まで訪れることが出来そうだ。

 一方今回の滞在中、山を訪れることが出来るのは1日のみ。前日夕方の天気予報では朝晩は晴れ、昼間は曇り。HPで確認すると例年より1週間早く紅葉が進んでいて、8合目付近は紅葉真っ盛り、見頃を過ぎる頃となっている。行ってみよう。脚の調子を考慮して8合目までの登山を決めた。

 山小屋を出て御岳ロープウェイに向かう。始業時間の少し前についたが、山頂駅付近が強風のため運行開始を遅らせているとの案内。ロープウェイに乗車したのは1時間遅れの9時30分だった。

 ロープウェイの右窓から遠くに見える紅葉に期待が高まる。7合目から8合目までの山道は木道や石組みでよく整備されている。ダケカンバの鮮やかな色に引き付けられて見上げたり、通り過ぎては振り返ったりして登って行く。

 8合目女人堂の付近は赤いナナカマドが疲れた体を迎えてくれる。9合目への登山道の紅葉も少し色褪せているが、まだまだ美しい。京のお寺の手入れの行き届いた紅葉も美しいが、大自然の中の紅葉はおおらかに育っていてひとしお感動する。

 三の池方向に向かう。この道も御岳大噴火の跡は少しだけ。窪みなどに僅かに火山灰が残っているだけだった。

 規制地点までの1kmは、葉の色は赤やオレンジ実は真っ赤なナナカマド、黄葉と白い幹のダケカンバ、緑のハイマツ、荒々しくむき出しのグレーの巨石。規制地点からは斜面を埋め尽くす錦の紅葉。遠くに乗鞍岳や北アルプスが見える絶景だった。

 ナナカマドの真っ赤な実。身近で見慣れているナナカマドの実よりも少し大きいかな。葡萄の房を小粒にしたような印象だ。

撮影日 2015.9.30
撮影地 長野県木曽郡三岳 御嶽山