開田高原 満月と星空  
               
                           
               
               

 開田高原の冬景色と星空を撮影したいと会社時代の数名が3日間開田高原を訪れた。

 いつもは私の山小屋に泊るのだが、このたびは ペンション ビューおんたけ に全員で宿泊した。

 同行のプロカメラマンと私を除き星空の撮影は初挑戦。カメラの設定などは宿で済ませて出かけることにした。

 設定を始めたら フィルター プロソフトンA・ワイドが見当たらない。自宅に忘れてきたのだ。このフィルターは星が滲んで大きく見えるので、星の撮影には欠かすことのできない道具なのだが。

 夜の撮影を長時間続けていると、夏でも冬でもレンズに水滴が付着することがある。そのため以前はベンジンカイロや木炭カイロを使用していたが、近年航空機にそれらは持ち込めなくなった。しかしこれからも海外旅行で使用することもあるから、何かないかとWEBで検索した。

 検索で見つけた品物とその使用した評判から、電池でレンズを暖めるレンズウオーマーを購入。今回が初めての使用だ。電池を装着し手に持っていたら、しばらくして僅かに暖かく感じられるようになった。

 この程度で大丈夫かと思いながら、レンズに巻き付けた。カイロはレンズの下に一部が接しているだけだが、レンズウオーマーはレンズ全体に巻き付けるから、保温効果は高いのだろう。

 星空撮影も今回の目的だ。折角だから御嶽山を入れて写したいとの要望がある。

 宿にチェックインする前、ロケハンをして星空撮影は九蔵峠でする予定だった。しかし星の光跡写真を撮りたいと話がなった。九蔵峠は幹線道路で車の通行がそこそこあり、しかもカメラに向かってライトが入るから、長時間露出の撮影には不向きな場所だ。

 向かう先は木曽馬の里に変更。ここはしし座流星群の撮影時に霧が降りて撮影できなかった所。しかし車が通る心配はない。

 車に乗り込む前に空を見上げる。明日は満月となる月が煌々と輝き、星はいくつも見えている。都会では考えられない光景だ。

 木曽馬の里で撮影開始。被写体には事欠かないのであちこち歩き回って何枚も撮影。露出次第では真昼の光景と見まがう写真になっている。

 翌朝プロのカメラマンがカメラの液晶画面で1枚の写真を見せた。部屋の窓から撮影したと。三脚は立てられないので、フィルターのケースを利用してカメラを仰角に設置して撮影したとのこと。

 落葉松と御嶽山、満月に星とすてきな写真だ。他人は睡眠中に夜半まで起きて撮影とは素人と心がけが違う。他の部屋からも同じような構図の写真は撮影できたのだが。

 下の右2枚は、その夜、その部屋を使わせていただいて撮影。光跡写真は21時から0時50分までの連続撮影。カメラをセットしてベッドにもぐりこんで睡眠。目覚めたらメディアがいっぱいになって自動的に撮影終了となっていた。

 なお、掲載はしていないが28秒のタイムラプス動画も作成できた。1枚毎の写真では星ははっきりとは見えないが、光跡はくっきりと写っている。

 右端の写真は、その50分後御岳山の上に月がきたタイミングだ。今も昇る水蒸気の噴煙が夜空に白く浮かび上がっている。

 ここに載せた写真はオリオンをはじめ、いずれもいくつもの星が写っている。しかしこのサイズでは殆どわからず、単なる夜の風景にしかみえないなぁ。

撮影日 2015.2.2〜2.3
撮影地 長野県木曽郡木曽町開田高原 木曽馬の里

おりおりの熟年生活(開田春秋)