開田高原 初冬の星空  
               
                           
               
               

 山小屋から見える星空。澄み渡る群青のキャンバスを背景にきらきらと輝く。天の川もはっきりと見える。今は山小屋を建設した当時に比べて見える星の数は少なくなっているが、それでも千葉の自宅で見える星数とは格段の違いがある。

 先月晩秋の星空を撮影後、いくつかのホームページを検索して星空の撮影について調べた。

 その結果赤道儀を使用しての本格的な撮影とは別に、デジカメならではの撮影、固定撮影を知った。また、星を入れる風景写真を星景写真と呼ばれて広まっていることも知った。

 記載されている必要な機材、私は殆ど既に持っている。追加して購入したのは、ケンコーの PRO SOFTON-A(W)[プロソフトンA・ワイド]だけで済んだ。説明書きによると「光のにじみが美しいキメ細かなソフト効果に表現」と記載されている。

 使用した機材とカメラの設定は次のとおり

使用機材     
     
 カメラ   EOS 5D Mark V
 レンズ EF16−35 F2.8L U USM 
 フィルター   PRO SOFTON-A(W)
  [プロソフトンA・ワイド]
 レリーズ   TC-80N3 
 三 脚   ベルボン 
 かいろ   木炭カイロ 
 液晶ルーペ   液晶ルーペ 3倍 
     
カメラの設定  
     
 記録画質   RAW  
 レンズ光学補正   周辺光量  する
色収差補正 する
 ホワイトバランス   色温度 4000K
 ピクチャースタイル ニュートラル
 シャープネス 0
 コントラスト 2
 色の濃さ   2
 色あい    0 
 長時間露光時のノイズ低減   OFF
 高感度撮影時のノイズ低減   標 準 
     
撮影時の設定    
 カメラ   撮影モード   M
ドライブモード 1枚撮影 
 レンズ   フォーカス   MF 

 撮影は、焦点距離:24mm 露出:開放(F2.8) シャッタースピード:15秒 ISO:1600 と設定して始めることにした。

 ライブビューで液晶モニターに映像を表示し、10倍に拡大。さらに液晶ルーペを使用してピント合わせをしたが、この時期でも気温は氷点下。手がかじかんで上手くいかない。なかなか難しい。

 撮影後はヒストグラムを表示して、山が左端から四分の一から三分の一になるようにISOを調整した。星が流れて線になることを避けようと思ったからだ。ノイズは少々発生するだろうがカメラの機能向上を期待した次第。

 撮影は2日行った。掲載の写真は撮影した時間順になっている。

 はじめの1枚は、太陽が沈んだ後しばらく経った17時42分。空がいわゆるブルーモメントになり、星々がいくつか輝きだした様子だ。


 2枚目は18時15分。遠くに見える木曽駒ヶ岳を入れた。やまゆり荘の明るい光が邪魔になるかと思ったが、星はいくつも写っている。写真にすると見えない星も見えるのだ。飛行機の光跡が入っている。この時間はラッシュでひっきりなしに飛来し、飛行機を避けるのは困難だった。

 3枚目は開田高原の田舎風景をと考え、ハザと御嶽山を対象にした。御嶽山の左手から現在も白い水蒸気が立ち上っている。

 4・5枚目は九蔵峠での撮影。御嶽山の上には帯のような長い雲がたなびき、その上に色とりどりの星々がきらめいていた。

 6枚目は木曽馬の里、一本の樹と天の川だ。この時期でもきれいな天の川が見えるが、来年はより美しい夏の天の川を写したい。

 7枚目は私の山小屋から100mほどの道端から撮影した。真上を見上げるとオリオンと昴が見えたので、星だけの写真となった。

 8枚目は山小屋の前の道で写した。山小屋のガラス越しに毎晩見ている光景だ。40年前は落葉松が低かったのでもっと広く見えていた。また星の数も多かったのだが。今は街路灯や諸施設の灯りなどで開田高原も光が多くなっている。

 撮影後はキャノンのソフト DPPで現像。ピントは甘いなぁ。幾分暗い写真は、明るさ調整をプラスした。その他はこれからいろいろと試してみようと考えている。

撮影日 2014.11.17〜11.18
撮影地 長野県木曽郡木曽町開田高原
 

おりおりの熟年生活(開田春秋)