木曽馬・雪上を駆ける

 NHKが新雪の中を駆ける木曽馬を撮影すると聞き、木曾馬の里にでかける。責任者の話では、20年後の実用化を目指している次世代の技術開発の一環としての撮影で、放送予定はないとのことだった。

 邪魔にならないところで撮影しようと尋ねたら、22ヶ所にマイクを設置、30m離れたカメラのシャッター音も拾うとのこと。差し支えがなく背景の良さそうなところを捜して柵に沿って歩く。

 このあたりでと立ち止まったところ、少し離れた新雪の上を一列になって疾走する木曽馬が目に入った。突然のことで戸惑いながらカメラを取り出し、装着されている広角レンズのままシャッターを切った。

 数枚撮影後急いで望遠レンズに切り替え。雪煙を上げながら愉しげに勇壮に駆け巡る馬達に、休む間もなくシャッターを押し続けた。

 しばらく走り回った馬達は、やがて白樺林の中へ。馬体をすり寄せたり、愛らしい仕草をしたり。親子の馬は並んで雪の下の草を食み、鼻ずらが雪で真っ白になっている。

 ここ当分は干し草ばかり食べていたからか、食事に夢中で動きが止まっている。私も「一本木亭」で休憩することに。開田高原名産のすんきのとうじそばとそば饅頭を食べる。何度食べても美味い。

 昼過ぎて再び木曽馬に会いに出かける。馬は雪の中をのんびりと散歩中。凍てつく寒さをものともせず久し振りに解き放たれた雪上の感触を確かめているようだった。

撮影日 09.1.13
撮影地 長野県木曽郡木曽町開田高原 木曾馬の里

おりおりの熟年生活(開田春秋)